物価安定目標を曖昧化は金融政策の効果を損なう 目標の持続的・安定的な実現にはなお時間要す

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YCCの運用見直し

日銀は昨年12月の金融政策決定会合で長期金利(10年国債利回り)の許容変動幅を従来の上下0.25%から0.5%に拡大する金融緩和策の修正を決めた。1月18日の会合では金融政策を維持したものの、物価上昇や4月の黒田の任期満了を控えて市場には一段の政策修正への思惑が根強い。若田部氏も3月19日に5年間の任期を終える。

昨年12月の決定はイールドカーブコントロール(長短金利操作、YCC)政策の枠組みにおける「金融緩和の持続性を高めることを狙いとしたもの」と説明した。その上で「金融緩和を続けていくという日本銀行のコミットメントは全く変わっていない」と語った。

物価安定の実現には賃上げが重要

同会合後に公表した新たな経済・物価情勢の展望(展望リポート)では、2022年度のコアCPI見通しが3.0%に上方修正されたが、23年度と24年度は引き続き1%台に減速すると予想している。

若田部氏は物価安定目標の持続的・安定的な実現には「なお時間を要する」とし、「経済をしっかり支え、企業が賃上げをできる環境を整えることが重要」と述べた。物価安定の実現には賃上げが重要だとし、鍵を握る今年の春闘で「実際にどの程度のベアが実現するか注目している」と語った。

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(発言の詳細を追加して更新しました)

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著者:伊藤純夫

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