日本人50歳女性「27%が生涯子供いない」の示す事 未婚、貧困、子育て難、不安、価値観の多様化
その原因を調べると、これらの欧州諸国は日本と同様に結婚するカップルは相変わらず低いものの、同棲や婚外子が多いことがわかる。フランスは62.2%(2020年)、ノルウェー58.5%(同)、ポルトガル57.9%(同)が婚外子であり、しかも日本と違って何ら差別を受けることがない。
日本の場合、大手メディアも含めて、古いままの結婚観が根強く残っており、社会の多様化が大きく遅れてしまった。社会が多様性を受け入れないことも日本の少子化問題の要因の1つに挙げられる。
「将来に対する不安」も大きい。子供を育てることに不安を抱き、また自分の将来や自分の親の老後などを見ると、いつ年金制度が崩壊するかわからないと散々脅され、政府も莫大な財政赤字を抱えている状況では、安心して結婚もできないし、子供も作れない。
「子育て以外の選択肢が多い」というのも、実は大きな問題と言える。日本に限ったことではないが、価値観の多様化によって、家族を作るという概念そのものが欠如していく傾向にある。子育てはおろか、結婚にすら必要性を感じていない人間が増えている面も見逃せない。
安定した職を確保するのに苦労した就職氷河期世代が50歳前後になる数年後には、子どもを持たない人の割合はもっと上がり、合計特殊出生率も、ひょっとしたら1.0を切るレベルにまで悪化する可能性がある。
日本社会の構造変革が不可欠
現実的にどうすればいいのだろうか。これは政府が国債を発行して、マネーをばらまくことで解決されるような問題ではない。ここからは筆者の意見となるが、労働者の雇用条件を引き上げること、移民・難民の受け入れを増やすこと、シングルマザーの支援を充実させること、など日本社会を根底からひっくり返すぐらいの変革が必要なのかもしれない。
男女差別は無論のこと、シングルマザーや独身者に対する偏見がなくなり、積極的に子孫を残したいと願うことができる国づくりをしなければ、この問題は解決しない。
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