50代転職「年収維持」にこだわらないのが幸せな訳 50代で新しいことを始めても「一流」になれる

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高年収を得るためには、永続的に新たな知識を吸収し、幅広い人脈を作り、つねに時代の動向に敏感でいることが当然とされます。極端にいえば、オンオフの区別もなく、24時間、プライベートの時間でも仕事について考え続けることも想定しておかないと、過酷なサバイバルを勝ち残ることはできません。

何かを得るためには、何かを失う覚悟が必要です。仕事か、お金か、プライベートか。自分にとって大切なのは何か、改めて考えてみてください。

仕事か、お金か、あるいは会社か

仕事を軸にする場合は、自分の売りを改めて考えることが重要です。営業力があるのか、企画力があるのか、マーケティング力があるのか、経理が強いのか、人事総務が強いのか、技術力があるのか。自分の強みの延長線上で転職できれば、年収もこれまでと近いものが見込めるかもしれません。

そのためには、自分のスキルが他社でも通用するのかを知っておくことが大事です。人材紹介会社や顧問のマッチングサービスに登録したり、副業可能ならタダでもいいので他社の仕事を手伝って自分の市場価値を確かめておくことをおすすめします。

お金を軸にするのは、私はあまりおすすめできません。役員クラスでも部長クラスでも、年収アップを目的に転職すると失敗する確率が高いです。1割5分から2割くらいの年収ダウンを想定して、「今は1200万もらっていますけど、900万ぐらいもらえれば大丈夫です」などと言って、自分のやりたいことをアピールすべきです。

年収は一時的に下がっても、転職先で評価されれば、あとで上げることもできます。転職するときは、目先のお金にとらわれないことが重要です。

「風通しのよさ」や「意見が何でも言える」といった、会社の雰囲気や社風を軸にしたい人もいるでしょう。この場合も年収維持は難しいかもしれません。

ただし、経営の意思決定に近いところを担う人であれば、会社の魅力や意思決定のプロセス、社長がどのような人物なのかを軸にして、転職先を選ぶのもありでしょう。業績アップに貢献できれば、年収アップの可能性もあります。

「自分の時間を充実させる」という選択肢はありか?

自分の時間の充実させたい、ワークライフバランスを大事にしたい。そういう希望を持っている人もいますよね。それはそれで、ありだと思います。

50代になると、子どもが成人して社会人として独立したり、住宅ローンを完済したりして、それほど多くのお金は必要ないという人もいるでしょう。ブラックな会社を辞めて、もっとラクな仕事をしたいと考えている人もいるかもしれません。

年収が下がったり、仕事のやりがいは減るかもしれませんが、プライベートの充実を軸にするのも、考え方の1つだと思います。

次ページ働き方の多様化で、仕事も自分の時間の充実も可能に
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