家族がいた2人、出会って32年で「同性婚」するまで 家族やお金、将来の問題をどう解決してきたか

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2022年の夏に市役所で結婚した同性カップルのウィルコックスさん(右)とネイシさん(左)(写真」エレン・ビー)
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2015年に最高裁判所が同性婚を認めたアメリカでは、結婚や同棲する同性カップルが増えている。2021年度のの国勢調査によると、アメリカにおける同性カップルの世帯(未婚カップルも含む)は初めて100万世帯を超えたという。

ミシガン州に住む、ペギー・ウィルコックスさんとジューリー・ネイシさんも共に歩んでいくことを決めたカップルだが、実は2人が結婚という形で結ばれるには32年の時を要した。同性婚が認められていなかった時代に出会い、共に家族を持っていた2人はいかにして家族やお金、そして将来の問題を解決してきたのか。2人の話からは同性婚にかぎらず、カップルが幸せな将来を設計するためのヒントが見えた。

同性を恋愛の対象として見たことはなかった

「I do(誓います)」。裁判官の前で、白いシャツを着た女性2人が、成人した子供たち4人に見守られながら、昨年の夏、この言葉を口にした。

アメリカ・ミシガン州北部在住のウィルコックスさんとネイシさん、共に64歳だ。中学校の教師だった2人が職場で出会い、恋に落ちたのが1990年。そして正式に結婚するこの日まで、32年の歳月が流れていた。

「彼女に出会ってすぐに、これは困ったことになったと思った」とウィルコックスさんは1990年当時を振り返る。ウィルコックスさんには当時夫がおり、5歳の長男と4歳の長女の2人の子育てで忙しかった。

「夫とは恋愛結婚だったし、そもそも同性を恋愛の対象として見たことなど一度もなかった。もし、ジューリーに惹かれることが事前にわかっていたら、自分の家庭を守るために、最初から何としても彼女を避けていたと思う」と彼女は言う。

また、当時、ネイシさんも結婚しており、夫との間に12歳の長女と5歳の次女がいた。彼女もまた女性と交際した経験は皆無だった。

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