サムスン、苦戦の日本市場をどう攻めるのか ゼロから刷新した「ギャラクシー」の実力は?

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「国内市場はアップル1社が断トツに強い歪な構造」と語る日本のスマホ市場責任者の石井圭介専務(撮影:梅谷秀司)

しかし我々としては、従来通り、あくまで高級機のラインで付加価値を訴求していく。いたずらに数を追わず、製品の中身と使い方を提案していく。今回の「S6」シリーズの投入を機に、シェアを挽回していきたい。

――そもそも「ギャラクシー」の世界戦略での日本市場の位置づけは。

日本は「iモード」がスタートした国で、モバイルの最先端市場だ。品質の要求が高く、我々はスマホの使われ方や品質を日本市場で多く学んでいる。

一方、日本の特徴は、米アップルという断トツで強い会社があることだ。1社の商品を売るためのビジネススキームが、業界では出来上がってしまっている。スマホのグローバルシェアでは我々が勝るが、残念ながらグローバルの実力とかけ離れてしまっている。

アップルにとって日本市場は、グローバルで戦う重要拠点となっている。そのため我々が日本市場でどう戦うかは、サムスン全体のポジショニングとしても非常に高い。

販売員を4倍に増強へ

――どうやって劣勢を挽回するのか。

今回「S6」シリーズという画期的な製品が出るので、これを機に販売体制を見直す。具体的には、全国のNTTドコモとauのキャリアショップ向けに「ラウンダー」と呼ばれる説明員がいるが、現状では80名抱えている。4月以降はそれをさらに約4倍の数百人体制に増やす。今はその説明員のトレーニングをしている最中だ。今後、新製品が出たタイミングだけでなく、継続的にその体制で販売をしていく。

また昨年春から、全国の家電量販店で専門の売り場スペース「ギャラクシーショップ」を設け、現在17店舗で展開しているが、ここも他では体験できないことをできる場にさらに発展させていく。詳細については、4月8日に日本での新製品発表の際に説明する予定だ。

今、スマホ市場自体が成熟化しつつあり、どんなスペックの新製品を出しても、差が見えにくいという意見がある。ただ我々はそうではないと思っている。重要なことは、製品を説明したり、実際に触れて体験できる場だ。説明員のひと言の助言が、ユーザーの琴線に触れることもある。実際に使っていただくことで、ライフスタイルの変化につながる可能性もある。価格ではなく、あくまでバリューを軸とした競争を続けていきたい。

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