「関西人はベビーカステラが好き」を検証してみた 冬の「屋台名物」はどこが発祥の地なのか
「京都に行くと、駅ナカにベビーカステラの店をよく見かける気がします。大阪出身の友人もよく買うし、よく食べると話していました。私はお祭りなどでしかなじみがないのですが、関西の人はそんなにベビーカステラが好きなのですか? 阿古さん調べてみませんか」
昨年冬、東京育ちの編集者が関西出身の私にこう聞いてきた。そこでベビーカステラの謎をさぐる取材を開始した。
屋台では「定番」のお菓子
まず、関西在住の友人知人にベビーカステラ専門店について聞く。1999年まで関西に住んでいた私の記憶では、屋台では定番だが専門店はなかった。すると、「よく見かける」という人と、「屋台でしか見たことがない」という人、「スーパーで売っているやつかな?」という人にわかれた。
グーグルマップで確認すると、大阪市と京都市の中心部およびその周辺、神戸市はどちらかといえば外れのほうに専門店があるようだ。ちなみに東京周辺でも下北沢などにあり、北関東にもある。2022年には都立家政にも京都の店が進出した。
大阪府豊中市在住の料理研究家、伊藤尚子さんは、「隣の池田市のスーパーではここ1~2年、キッチンカーで出店していることがあります。泉佐野市でおむすび屋の前に、米粉ベビーカステラの店が出ているのも見ました。こちらもここ2年ぐらい。そういえば阪急とモノレールの駅がある蛍池の駅ビルに2年半ほど前、常設店ができました」と伊藤さん。
「あの匂いにつられて、つい買ってしまう」と言うのは、堺市在住のパート勤務、淑子さん(54歳)。
「ベビーカステラというと、えびす宮総本社の西宮神社のイメージがあります。全国区じゃない、ということがむしろ驚きです。近所のスーパー、イズミヤに10年ぐらい前からワゴンで、月イチぐらいで出ているので、買うことがあります。似たもので子どもの頃、神戸の湊川神社へ初詣に行ったら、野球カステラも売っていた気がします」
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