日本の報道ではわからない今の中国の「複雑さ」 ゼロコロナ政策批判だけでは見えない現状

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結果的に、初期の感染拡大を抑えることは非常に有効だった。すでに忘れられているかもしれないが、先進国がコロナ対策でまだ迷走しているとき、中国はとっくに「通常生活」に戻った時期があり、当時中国のコロナ政策を評価したのも海外のメディアだった。

ロックダウンがなかなかやめられない理由

地域の閉鎖(ロックダウン)をなかなかやめられない背景には、中国の地域間格差がある。日本でもよく知られている通り、中国は格差の激しい国である。

過去の記事でも紹介してきたが、地域・年代により人々の生活環境、風習、ないし言葉まで異なってくる。例えば年代の差についていえば、若者に人気な無印良品のスタイルは、親世代にあたる人から見ると「染めることすらしないただの布なのに高く売っている」と言われたりするぐらいだ。

地域により医療・教育資源も雲泥の差があると言っていい。医療資源のほとんどは大都市や地方都市に集中しており、農村地域の医療条件はとてもよいと言えないのが現実だ。現在オンライン診療などが農村地域にも普及してきて改善されているが、それでも農村地域でコロナの感染が広まったら、収束できなくなるおそれが高い。

また、ワクチン接種については、日本と違いよく移動する若年層に積極的に接種を求めているが、80代以上の高齢者にはあまり勧めていない。その理由に中国古くからの「薬の三分は毒」という思想がある。できるだけ薬膳料理や(身体にやさしい)漢方薬で身体を養うことを重視し、薬や注射など外部からのものを身体に入れることを好まない(意外とそう考える若者も少なくない)。

特にワクチンは薬でもないうえ、副反応のリスクも必ずあるので、わざわざ基礎疾患を持つ確率の高い高齢者に打たない考えがある。その代わり、高齢者の周りにいる家族にきちんとワクチンを接種してもらい、両方の感染リスクを軽減しようとしている。

筆者の90代の祖父母も接種せず、接触する家族が全員接種するようにと指導を受けたようだ。農村地域に居住する高齢者も多いため、万一子どもたちが戻ってきて感染拡大されると、予想もできないぐらいの医療危機に陥る可能性が高いと思われる。

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