参院選の勢いはどこへ?「維新」醜聞連発で大逆風 所属議員が"新曲宣伝"、兵庫県内の市長選5連敗

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また、7月参院選の比例代表で上位当選した歌手で俳優の中条きよし氏が、11月15日の文教科学委員会であからさまに自らの芸能活動を宣伝、インターネット上でも大炎上するなど党を揺るがす騒動となった。

中条氏は同委での質問の最後に、自身の新曲や年末のディナーショー開催に言及。「(新曲を)お聞きになりたい方はお買い上げを。(ディナーショーは)今年最後ではなく、芸能界最後のショー」などと得意げに宣伝したからだ。

これにはネット上に「国会の場を宣伝に利用するなんて酷すぎる」などの書き込みがあふれ、維新幹部も「ど素人の極みだ」と怒り狂った。慌てた党執行部は翌16日、藤田文武幹事長が中条議員に口頭で厳重注意し、中条氏も「不適切だった」謝罪したが、「議員辞職もの」(自民幹部)との批判を招いた。

中条氏は同党が集票アップを狙って比例代表に擁立した人物で、8人の当選者の中の5位当選。それだけに中条氏の国会での自己宣伝については、擁立を主導した松井、馬場両氏の責任を問う声も相次いだ。

減税日本との選挙協力が「白紙」に

こうした状況下、来年4月9日と23日に実施される統一地方選に向け、愛知の地域政党との選挙協力が破綻した。維新との共闘を進めてきた河村たかし名古屋市長が代表を務める地域政党「減税日本」の愛知県議2人が、特別党員だった維新を離党し、統一選での選挙協力が白紙になったからだ。

離党したのは島袋朝太郎、竹上裕子の両県議で、県議会の会派名も「減税維新」から「減税日本」に改称。さらに、減税維新の幹事長だった広沢一郎・元名古屋市副市長も離党届を提出した。

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