全国から注文が殺到する「フクイのカレー」の秘密 注文は電話かメール、手書きのお礼状が同封

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さらに、カレーとは別にビニール袋に入った包みも入っていた。開けてみると、手書きのお礼状だった。そこにはお礼の言葉とともにカレーの作り方が綴られており、味のある字に再び心が温かくなった。まだ食べてもいないのに、すっかり福井さんのファンになってしまった。

カレーに同封されていたお礼状。ボクシングのグローブのキーホルダーも入っていた(筆者撮影)

早速、カレーを作ってみることに。注意すべき点は、前日にカレーを冷凍庫から冷蔵庫へ移して解凍させておくこと。あとはカレーを鍋に移して、水を加えながら加熱するだけ。実に簡単である。今回は、ポークカレーとフクイのカレー2022を試食してみた。

もう、鍋でカレーを温めている時点で香りが立ちまくっている。スパイスが際立ったエスニック特有の尖ったものではなく、「おっ、今夜はカレーか」と、思わず口にしたくなるような、どこか懐かしい匂い。

しっかりと煮込んであるからなのか、ポークカレーの具材は溶けてなくなってしまっているが、確認できたのは、なんと海苔。以前、フクイのカレーのTwitterで豊橋に本社がある「永井海苔」を使っているという投稿を見たことがある。きっと、この海苔のことだろう。

一方、フクイのカレー2022は、サラサラのルーにじっくりと煮込まれた鶏の手羽元がごろっと入っている。何とかギリギリ手羽元の形を保っているものの、スプーンを入れると肉がホロホロと崩れるような状態。このビジュアルもたまらない。

大振りな手羽元が入る「フクイのカレー2022」(筆者撮影)

一度食べたら忘れられない味

炊きたて熱々のご飯の上にルーをたっぷりとかけて、まずはポークカレーを実食。最初に玉ネギなどの野菜と肉の旨みがふわっと広がり、後からスパイスの香りと刺激が追いかけてくる。やがてそれらは一体となり、複雑で奥行きのある味わいが幾重にも折り重なりながら広がっていく。一方、フクイのカレー2022は、さっぱりとした口当たりながら深いコクがある。野菜や鶏肉の旨みを余すことなく引き出していることが伝わってきた。いずれも、やや辛口。辛いものが苦手な人でなければ、心地よく感じるだろう。

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