便利・清潔・安心なトイレは日本のソフトパワー 「おしり安全保障」を担うトイレの歴史や多様性

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『快適なトイレ 便利・清潔・安心して滞在できる空間』日本トイレ協会編
進化するトイレ 快適なトイレ 便利・清潔・安心して滞在できる空間(日本トイレ協会 編/柏書房/3300円/348ページ)
[著者プロフィル]日本トイレ協会(にほんといれきょうかい)/1985年にトイレ問題に関心を持つ官民の有志により発足。2016年に一般社団法人化。会員相互に研鑽を積み重ね、主に全国トイレシンポジウムや各種講演会を通じて、最も進んだトイレ文化の華を日本に咲かせるとともに、世界への情報発信に努める。

トイレは日本の重要なソフトパワーだと思う。少なくとも評者にとってはそうである。

スウェーデンはどこも美しかったが公衆トイレを使うのにコインを持ち歩かなければならなかった。台湾はおいしい料理ですぐに満腹にはなるがトイレではトイレットペーパーを流さず備え付けのゴミ箱に捨てなければならなかった。お腹が弱くなくても、どこかで下腹部に緊張感を持ちながら観光する人は少なくないのではないか。携帯おしり洗浄器を持ち歩くような敏感なおしりの保持者にとってはなおさらだ。

日本からの頭脳流出が話題になる昨今だが、日本の快適なトイレはそれに歯止めをかけている……と勝手に信じて疑わない。

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