台湾が「双十国慶節」で明確にした国土防衛の意味 台湾国会議長が「台湾有事は日本有事」と言及
双十国慶節の起源は、清朝を倒した1911年の辛亥革命での武昌起義であり、建国よりも革命を祝う比較的軍事色の強い記念日と言える。しかし民主化以降は、中台接近の影響もあって、かつてのような軍事パレードを前面に出すものではなく、台湾社会の安定性や多様性をアピールするものに変容していた。
しかし、昨今の強大な軍事力と強引な外交手法を繰り出す中国に、台湾もいよいよ本格的に国土防衛のために動き出す――。そんな明確な意思が、式典運営責任者の游氏の演説から見えてくる。
2022年10月19日付けの「日本経済新聞」は、関係者3人の話としてアメリカのバイデン大統領が台湾への武器提供を前倒しするため、米台共同で武器を生産する案を検討していると報じた。仮にこれが実現すれば、いよいよ游氏がいう国土防衛の覚悟と台湾が日米などの民主主義陣営にいることを、内外に示す好機となる。
ちなみに、游氏は演説で、安倍晋三元首相が語った「台湾有事は日本有事であり、日米同盟の有事でもある」も引用している。わざわざ日華懇議員へ出席の感謝を述べただけではない。安倍元首相の言葉すら引用する游氏に、台湾から日本に向けたメッセージをしっかり考えたい。
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