年収1000万円をお金持ちと思い込ませたのは誰か 会社のために働き続けるよう仕掛けられたワナ

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人から与えられた選択肢には多かれ少なかれ相手の意図が入っています。その中で自由に選択できたとしても、所詮は相手の手のひらの上で転がされているだけです。ならば、選択肢から自分でつくらないといけませんし、そのために選択肢をつくれる自分になる必要があります。

働き方以外でも、ぼくらは誰かが提示した選択肢から選んでいます。たとえば、「何でも食べたいモノ食べていいですよ」と言われても、メニューの中から選ぶことが前提になっています。「じいちゃんが作ったカレーが食べたい」と言ったら、「それはメニューにないです」と断られます。要は、相手が用意した選択肢の中から選んでください、という意味ですね。

「将来の夢は?」という質問さえも、その時点で成立している活動や職業しか選べません。ぼくが幼稚園生だった40年前に「自分でビデオを撮って、たくさんの人に見てもらって、広告収入をもらいたい」と言っても、それは夢として受け入れてもらえなかったでしょう。YouTuber という職業が、質問をした相手の選択肢の中になかったからです。

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このように、相手の選択肢にないものを答えると「まじめに考えなさい」と怒られ、別の答えを言うように強制されました。そうして、ぼくらは与えられた選択肢の中から選ぶということを知らない間に受け入れ、それが当たり前になってきてしまったのです。

ぼくらは自分で好きなものを選んでいるつもりで、実は誰かから与えられた選択肢の中から選んでいます。選択肢以外は選べないわけで、つまりは「自分で好きなものを選べていない」ということになります。

ぼくらが本当に意識しなければいけないのはこのポイントにあります。与えられた選択肢を無視して、本当に望んでいるものに意識を向けませんか? それこそがやりたいことを実現させていく唯一の道だと考えています。

木暮 太一 ビジネス書作家、出版社経営者、投資家

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こぐれ たいち / Taichi Kogure

1977年生まれ。慶應義塾大学経済学部を卒業後、富士フイルム、サイバーエージェント、リクルートを経て独立。学生時代から複雑な物事を言語化し、シンプルに表現することに執着を持ち、大学在学中に『資本論』の解説書を自作し学内で大ヒットさせる。リアルな現場と経済学の両面から、個人が幸せに生きるための働き方を分析し提言している。コミュニケーション、投資、個人ビジネスの立ち上げ手法を構造化・言語化し累計5万人以上に指導。また出版コンテンツへのコンサルティングも行い、延べ1000冊以上プロデュース。著書に『人生格差はこれで決まる 働き方の損益分岐点』(講談社+α文庫)など。趣味はハワイ。

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