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日銀は市場の「合理的期待」に再び敗れるのか 黒田総裁「円安は投機的」発言の裏側を探る

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国際金融協会(IIF)で講演した黒田東彦総裁
(写真:2022 Bloomberg Finance LP)

今春以降、急速に進んだ円安。「一方的な動きであり、投機的な要因も影響しているのではないか」と、日本銀行の黒田東彦総裁は一貫して言及している。

しかし、昨今の円安を投機によるものと考える人は少数派だろう。

原油など商品価格の高騰で日本の貿易赤字は増大し、実需の円売りが拡大。加えて日銀が「インフレは一時的」との判断から金融緩和を修正しないスタンスのため、FRB(米連邦準備制度理事会)の急速な利上げによって日米金利差が拡大し、資金は金利の高いドルへ移動している。これは、短期的な為替決定理論と整合的であり、円安という方向性自体は、金融市場の合理的な判断といえる。

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