忍び寄る世界的スタグフレーションの深刻度 金融緩和後の供給ショックなど70年代と類似

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世界銀行が世界的なスタグフレーションのリスクを指摘した(写真:世界銀行のHPより)

世界経済は1970年代のようなスタグフレーション(景気停滞と高インフレの同時進行)に向かっているのか──そうした懸念が金融市場で高まっている。その関連で、この6月に世界銀行が最新経済見通しの中で特集した「グローバル・スタグフレーション」の分析が目を引いた。

70年代との警戒すべき共通点

今回と70年代の共通点について3点を指摘している。第1に、長期の金融緩和の後に供給ショックと高インフレが発生したことだ。パンデミックとウクライナ戦争に伴う供給網混乱と資源高は、73年と79年の石油ショックに相当する。70〜80年と2010〜21年の実質政策金利はともにマイナス。70年代には利上げが遅れ、石油ショック後に大幅利上げが行われた結果、75年と82年に世界的な景気後退に陥った。今回も想定を超す金融引き締めが必要な局面にある。

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