東京都心の品川を起点とする京急本線は横須賀市内で東京湾に沿って走り、観音崎の南の浦賀を終点とする。途中の堀ノ内から分かれた久里浜線は三浦半島の海岸線沿いに三崎口まで延びている。沿線では複数の老朽化した施設が閉鎖され、新たな観光拠点に生まれ変わろうとしている。
三浦半島の最南端、城ヶ島にあった城ヶ島京急ホテルは2020年に営業を終了した。跡地では2024年度、ヒューリックが手がける「ふふ城ヶ島」(仮称)の開業を予定する。同島では三浦半島との間に架かる城ヶ島大橋が2020年4月に無料化されるなど、観光振興策がとられている。
また、観音崎のホテルが営業を終了するちょうど1年前の2021年9月末に閉園した油壺マリンパークの周辺敷地には、オートキャンプ場、ドッグランなどを備えた「京急油壺温泉キャンプパーク」が2022年1月にオープンした。将来は2025年度の開業を目指し、「滞在拠点の一体開発に向けて大手デベロッパーと共同で検討を推進」(京急)する方針だ。
さらに横須賀市の「長井海の手公園 ソレイユの丘」は2022年10月1月から半年間にわたって全面休園。2023年4月のリニューアル後はアウトドア宿泊施設の拡充のほか、巨大アスレチックや全長約300mのジップラインなど新たなアクティビティもお目見えする。運営は日比谷花壇や京急電鉄などで構成する事業者グループが担うことになる。
観音崎はどう変わる?
観音崎の温浴施設やグランピング施設はリニューアル後もサービスを継続する予定という。京急電鉄生活事業創造本部まちづくり統括部の佐々木忠弘課長は「ビジターでも使えるレストランや温浴施設があって遊んだ後に立ち寄ってもらったり、宿泊してもらったりできるように、観音崎公園の施設と連携していくような重要な拠点の1つにしていきたい」と話す。エリア内の移動の利便性向上や横須賀の市街地とのアクセス改善も検討する。
2022年4月からはグループ会社の京急サービスが神奈川県公園協会と観音崎公園の指定管理者になったことで、園内のアクティビティなどの充実を提案しやすくなったという。佐々木課長は「三浦半島はキャンプ場が少ないため、横浜などからも訪れやすいアウトドアの滞在ができるような施設を充実させれば魅力ある場所になりそうだ」と強調する。
観音崎京急ホテル
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観音崎京急ホテルのロビー
(記者撮影)
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正面奥にレストラン。右手にフロントがある
(記者撮影)
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手前が「ティー&カクテルラウンジ」。
奥がレストラン「浜木綿」(記者撮影)
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海側はガラス張りで眺めがよい
(記者撮影)
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ロビーからも海が一望できる
(記者撮影)
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ロビーには航路図
(記者撮影)
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レストラン側のエントランス
(記者撮影)
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レストラン「浜木綿」
(記者撮影)
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レストランも明るく開放的
(記者撮影)
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浜木綿はビュッフェが人気だった
(記者撮影)
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特製カレーが名物の1つ
(記者撮影)
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ホテルの営業終了を前にビュッフェは予約で
いっぱいになった(記者撮影)
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フレンチレストラン「ル・ボ・リバージュ」
(記者撮影)
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ル・ボ・リバージュからの海の眺め
(記者撮影)
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ル・ボ・リバージュの店名はフランス語で
「美しい浜辺」(記者撮影)
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地場食材を生かしたフレンチを提供した
(記者撮影)
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客室への階段
(記者撮影)
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観音崎京急ホテルは地下1階・地上2階建て、一部3階建て
(記者撮影)
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客室への廊下も明るい雰囲気
(記者撮影)
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スイートルーム
(記者撮影)
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ソファを備えたスイートルーム
(記者撮影)
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スイートルームは広々としている
(記者撮影)
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全客室から海が眺められる
(記者撮影)
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スイートルームからの眺め
(記者撮影)
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ホテルオリジナルの浴衣も
(記者撮影)
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客室には双眼鏡を用意
(記者撮影)
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ベランダからは東京湾を一望できる
(記者撮影)
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東京湾を行き交う船
(記者撮影)
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貨客船「おがさわら丸」
(記者撮影)
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さまざまな種類の船が行き交う
(記者撮影)
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さまざまな種類の船が行き交う
(記者撮影)
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ベランダからの眺め
(記者撮影)
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ベランダからの眺め
(記者撮影)
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スイートルームのバスルーム
(記者撮影)
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客室棟は海に面して「くの字」の形
(記者撮影)
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客室棟からは海が目の前に広がる
(記者撮影)
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レストランの海側はガラス張り
(記者撮影)
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シーサイドプールは夏季に営業
(記者撮影)
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都心近くでリゾート気分が味わえた
(記者撮影)
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2017年、屋外にグランピング施設がオープン
(記者撮影)
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「snow peak glamping 京急観音崎」
(記者撮影)
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3棟ある隈研吾氏デザインのモバイルハウス
(記者撮影)
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気軽にアウトドア体験ができた
(記者撮影)
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チャペルへの入り口
(記者撮影)
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チャペルへの入り口
(記者撮影)
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大きな窓が特徴のチャペル
(記者撮影)
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チャペルからも東京湾を一望
(記者撮影)
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チャペルからの東京湾の眺め
(記者撮影)
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チャペルの控室
(記者撮影)
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チャペルの控室。レコーディングスタジオの
名残が感じられる(記者撮影)
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山側から見た観音崎京急ホテル
(記者撮影)
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手前の道路はバスが通る観音崎通り
(記者撮影)
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外観もリゾートホテルの雰囲気
(記者撮影)
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開業当時の外観。植物が生長した以外、
驚くほど現在と変わらない(写真:京急電鉄)
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開業当時のシーサイドプール
(写真:京急電鉄)
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開業当時のティー&カクテルラウンジ
(京急の社内報より)
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開業当時の「ル・ボ・リバージュ」
(京急の社内報より)
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開業当時の「浜木綿」
(京急の社内報より)
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開業当時のスイートルーム
(京急の社内報より)
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開業当時のレコーディングスタジオ
(京急の社内報より)
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開業当時のクラブハウス
(京急の社内報より)
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開業当時のゴルフリンクス
(京急の社内報より)
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開業当時のシーサイドプール
(京急の社内報より)
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開業当時の海からの外観
(京急の社内報より)
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京急は2021年度に策定した中期経営計画で「都市近郊リゾートみうらの創生」を掲げ、横須賀から三浦半島の先端付近にある城ヶ島や油壺、さらに逗子、葉山、鎌倉を含めたエリアで回遊性向上と滞在環境の整備を進めていく方針。観音崎京急ホテルの営業終了と新施設へのリニューアルはその先駆けと位置づけられそうだ。
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はしむら きしん / Kishin Hashimura
三重県生まれ。大阪大学文学部卒。経済紙のデジタル部門の記者として、霞が関や永田町から政治・経済ニュースを速報。2018年8月から現職。現地取材にこだわり、全国の交通事業者の取り組みを紹介することに力を入れている。
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