観音崎京急ホテル「営業終了」に込められた新戦略 2023年、新たなレジャーの拠点へリニューアル

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ホテルの営業終了を前に、客室やレストランは連日、予約でいっぱいになったという。京急によると、利用者からは「海を行き交う大型船舶を楽しめるホテルはほかにない」「永遠のあこがれのホテルでした」「たくさんのかけがえのない思い出がありました」「閉館にびっくりすると同時に、生まれ変わるホテルを楽しみにしています」といった声が寄せられた。

京急にも特別な思いを抱く社員がいる。鉄道本部施設部管財課の吉澤均さんは入社9年目の車掌だった2000年当時、浦賀の西叶神社で神前式を挙げ、観音崎のホテル2階の宴会場に約50人を招いて結婚披露宴を開いた。「前日までの雨が上がり、会場から海が見えて改めてこのホテルに決めてよかったと思った」と振り返る。

その後も仕事とプライベート両面でしばしば訪れた。最近も「目の前のボードウォークを散策して懐かしんだ。磯の香りで当時を思い出した」。営業終了については「自分の中で思い出の場所なので、寂しく感じるが、観音崎らしいのんびりした雰囲気を守りながら、新たなシンボルとなるような愛される施設になってほしい」という。

共立メンテナンスの運営へ

ホテルは2023年の春から初夏ごろにかけ、共立メンテナンスが運営する新施設に生まれ変わる予定だ。同社はビジネスホテルの「ドーミーイン」を手がけていることで知られるが、リゾート事業では眺望が自慢の「ラビスタ」などのブランドを展開している。

2022年7月には東京の豊洲で「ラビスタ東京ベイ」をグランドオープンさせた。京急は同社と連携する理由について「共立メンテナンスの持つリゾート事業のノウハウにより、観音崎の東京湾を望む絶好のロケーションを最大限に生かしたリゾートの実現ができると判断した」と説明する。

観音崎京急ホテルの客室
客室はすべてオーシャンビュー(記者撮影)
東京湾の船
東京湾を行き交うさまざまな船舶を眺められる(記者撮影)
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