亜女子はなぜ、SNSをここまで「盛る」のか 転職から政治的活動まで、徹底的に使い倒す

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ベトナムのリエンさん。転職ツールとして使っているSNSでは、プロフィール写真を大人っぽい雰囲気に

慎ましやかな日本女子は、「こんな自己満足な盛り投稿、恥ずかしくないのかしら?」「プロフィールを頻繁に変えるなんて、ナルシストだわ」という印象を受けるかもしれない。だが、亜女子たちのSNS投稿はただの「自己満足」ではない。男女の出会いにとどまらないさまざまな「実益」があるからこそ、ここまでこだわるのである。

ベトナム女子のリエンさんは、普段LinkedinやFacebookを利用しているが、Linkedinは転職のためのツールと位置づけており、ヘッドハンターの目に留まることを意識したプロフィールを公開しているという。なるほど、覗いてみるとプロフィールの内容はほかのSNSのものと少し差をつけているようだ。写真もイイ女風に決めており、メガネ女子である日常の姿とはまるで別人だ。その後の経歴をたどると、どうやら転職にも成功したようだ。

ビジネスに、政治的活動に、SNSをフル活用

Facebook上にマーケティングやビジネスの基盤を置いている亜女子もいる。ジャカルタのニタさんは自分でデザインした服をFacebookで紹介、販売しているし、ベトナムのビィーさんは、アウトレットの服を仕入れて安く売る個人商店を、やはりFacebook上に持っているという。

昨年の軍事クーデター以来、特定の政治政党の批判など一部の報道規制が敷かれているタイにおいては、SNSはまた違った役割を担っている。バンコクでジャーナリストをしているプーンさんは「SNSによって、既存の統制された情報は自由化されていき、いずれ規制を弱体化させるでしょう」と語る。彼女たちにとってSNSは、自由に自分の意見が言い合える貴重なメディアであり、国を新しい方向に動かしていくためのツールなのだろう。

ジャカルタのファビオラさん

いずれにせよ、アジアの女性達はさまざまな用途でSNSを使いこなし、いい情報は拡散・吸収し、単なる娯楽やコミュニケーションの域を超えて自分の世界を広げているとおわかりいただけただろう。

同年代の日本女子には、話を聞けば聞くほど「付き合いで始めたので、コメントの返事が煩わしい」「会社の人とはつながらないと決めています」「自分アピールしたくないので、見る専門です」といった保守派の意見が多いが、もっと自分の生活やキャリアを豊かにするために使う道があるのかもしれない。

山本 貴代 女の欲望ラボ代表 女性生活アナリスト

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やまもと たかよ / Takayo Yamamoto

女の欲望ラボ代表、女性生活アナリスト。静岡県出身。聖心女子大学卒業後、1988年博報堂入社。コピーライターを経て、博報堂生活総合研究所上席研究員。2009年より「女の欲望ラボ」代表。主に10代から70代までの女性をネットワークし(一部男性もあり)、eメールにより本音を収集。専門は、女性の意識行動研究。2014年春より、博報堂と恊働で亜女子(アジア女子)研究のプロジェクト「博報堂亜女子会議」を立ち上げ、現在7カ国のアジア女性と日々メール文通をしている。著書に『女子と出産』(日本経済新聞出版社)、『晩嬢という 生き方』(プレジデント社)、『ノンパラ』(マガジンハウス)、『探犬しわパグ』(NHK出版)。共著に『黒リッチってなんですか?』(集英社)『団塊 サードウェーブ』(弘文堂)など多数。

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