9つの意図はほぼ正確「猫語翻訳アプリ」の本気度 「にゃー」にも色々な意味が込められている

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創業者によると、にゃんトークは収集した音を使用してアルゴリズムを改良し、パフォーマンスを向上させており、ペットの所有者は、アプリが間違っている場合にその場でフィードバックすることができる。

2021 年、にゃんトークの研究者は、ソフトウェアが全体で 90%の精度で 9つの意図を区別できると報告している。しかし、結果によると、このアプリが識別できるものには偏りが見られ、ある状況はよりよく識別できる一方で、「幸せ」と「痛み」を混同することも珍しくなかった。

アプリの精度を検証する難しさ

もっとも、猫の翻訳アプリの精度を評価するのは難しいと、にゃんトークの創設者の1人、セルゲイ・ドライジン氏は語っている。そもそも「猫が何を望んでいるのか、飼い主が実際に知っていることが前提になるからだ」。

宣伝されているように、アプリは喉を鳴らすのを検出するのに特に優れていることがわかった(繰り返しだが、私もそうだ)。しかし、各カテゴリの鳴き声が何を意味するのかを判断することは、そもそも一貫した意味を持っているのかどうかも含め、実際に猫とコミュニケーションする方法がないと難しいのだ。

結局のところ、猫がさまざまな状況で喉を鳴らす正確な目的は、とらえどころのないままだ。 にゃんトークは、今のところ猫がゴロゴロと喉を鳴らすのを「休んでいる」と解釈している。

「でも率直に言うと」とサンチェスが言うには、「……と言いたいのかも」。言い換えるとこうだ。「猫が何を言いたいのかはわからない」。

犬に目が向けられる日もそう遠くないだろう。アリゾナ州のスタートアップ企業ズーリングアは、犬の発声とボディランゲージを分析する人工知能を搭載した犬の翻訳機を作りたいとしている。

学業にいそしんだ時間のほとんどをプレーリードッグのコミュニケーションの研究に費やしてきたズーリングア創業者兼CEOのコン・スロボドチコフ氏は、「犬の飼い主は、このコンセプトに対して驚くほど熱心に支持してくれる」と語る。

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