賃貸仲介料は本当に「家賃1カ月分」が必要か これを知らないと新居探しで損をする
ある業者は「仲介手数料無料の物件が増えれば増えるほど、借り主から手数料を請求しにくくなる。顧客の目を引くためにも、無料化の流れに取り残されては、ほかの業者に勝てない」と本音を打ち明ける。
空室を避けたいオーナーの心理、さらに競争が激化している賃貸業者の経営戦略が、仲介手数料無料化の流れを増幅させている。過度な価格競争に陥ると業界全体が疲弊してしまう心配はあるものの、これから部屋を借りる人にとっては好条件の環境が整いつつある。
家賃はトータルコストで考えよう
物件を借りる際の注意点は、仲介手数料だけではない。月額の家賃が割安だったとしても、その他の費用を含めると、実は割高になるケースがある。その判断材料となるのが「めやす賃料」だ。
これは借家を4年間借りたと仮定し、その間に発生した「賃料」「共益費(管理費)」「フリーレント」「敷引金」「礼金」「更新料」の合計額を48カ月で割って算出した1カ月当たりの金額を指す。この中に「仲介手数料」「保険料」「退去時の原状回復費用」などは含まれていない。借り主が実質的な賃料の多寡を判断する際の1つの“物差し”となるよう発案された。
月額の賃料だけを見れば、Cマンションが8万円と最も高いのだが、めやす賃料と賃料の差額を見ると、Aマンションが2575円で最も高くなる。4年間トータルで比較した場合、相対的にBマンションが最も実質賃料の割高感が少ないということになるのだ。
さらに、仲介手数料の有無を考慮して再試算してみると、より実態に近い賃料水準の比較が可能になる。重要なのは、イニシャルコストとランニングコストを合計したトータルコストを基準に賃料水準を比較することだ。
家賃の額面だけでも、仲介手数料の有無だけでも、正確な評価はできない。あくまで目安ではあるものの、めやす賃料を上手に活用するのが効果的。失敗のない物件探しに役立ててほしい。
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