来週の円相場は、対ドルで一段と円安が進む可能性がある。心理的な節目の1ドル=145円を前にした日本の金融当局によるけん制が円安進行を阻んでいるが、米連邦公開市場委員会(FOMC)の利上げやタカ派的な姿勢が145円突破の手がかりとなりそう。相場の予想変動率が高まる中、147円付近まで円安が進むリスクも意識されそうだ。
市場関係者の見方
ステート・ストリート銀行金融市場部の貝田和重部長
- 来週のドル・円相場の下値は141円、上値は147円のレンジを想定している。日米金融政策発表など、イベントが多く、ボラティリティーは上がりやすい
- 週前半はFOMCや日銀金融政策決定会合などのイベントを前にしたドル全体でのポジション調整でドル・円も下押す可能性がある
- ここまでドル高・円安をけん引している日米の金融政策のフレームワークについて、日本サイドに変化は見込みづらい一方、米国は物価にピークが確認できない中でよりタカ派になりやすく、ドル高・円安が進みやすい
- FOMCを受けてドル・円は145円超えをトライしていく可能性が高い。ただ、145円の節目を前にレートチェックの報道が出るなど、本邦当局の動きが確認された。改めて145円トライの局面で当局の反応・対応を見極める必要があるだろう
- 145円を超えるとオプション関連の買いフローも出やすいとみられ、一段高になる可能性がある
注目イベント
- 20日から米FOMC会合。21日(日本時間22日早朝)に政策発表。21日に政策発表、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が会見
- 今会合では経済予測も併せて公表。今回の予想から政策委員の政策金利見通し(ドットチャート)に2025年が加わる
- 21、22日に日銀金融政策決定会合。22日に政策発表、黒田総裁が記者会見
- 22日にイングランド銀行(英中銀)、スイス国立銀行(中銀)が金融政策を発表
来週の主な予定
- 19日:日本は休場(敬老の日)、デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁が発言
- 20日:8月の日本全国CPI、8月の米建設許可件数、8月の米住宅着工件数、米20年国債入札
- 21日:デギンドスECB副総裁が発言、8月の米中古住宅販売件数
- 22日:7-9月期の米経常収支、米新規失業保険申請件数、米インフレ連動国債入札
- 23日:日本は休場(秋分の日)、9月の製造業PMI(仏、独、ユーロ圏、英、米)、FRBのパウエル議長、ブレイナード副議長、ボウマン理事がFRB主催のイベントで発言
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著者:酒井大輔
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