北朝鮮の「ローテク兵器」を買うロシアの惨状 枯渇する弾薬、中国も兵器供給には及び腰
ロシアが北朝鮮から砲弾やロケット弾を何百発と購入していることが、新たに機密指定解除されたアメリカ情報機関の文書から明らかとなった。国際制裁によって兵器調達が厳しい制約を受ける中、ロシアが北朝鮮という「のけ者国家」を頼みとせざるをえなくなったことの表れといえる。
今回の情報開示は、イラン製ドローンの初回出荷分がロシアに到着した数日後に行われた。アメリカ当局者は、これらのドローンには機械的な不具合があったとしている。
イランに続いて北朝鮮からも
イランに続いて北朝鮮にも兵器の供給を頼るというロシア政府の決断からは、アメリカとヨーロッパによる制裁と輸出規制がロシアの軍事物資調達能力に打撃を与えている様子が見て取れる、とアメリカ政府関係者は話した。
機密指定解除された情報では、兵器の具体的な内容、出荷のタイミングや規模の詳細はほとんど明らかにされておらず、兵器の売却を独自に確認する方法も今のところ存在しない。アメリカ当局者は、短距離ロケット弾や砲弾に加え、今後はロシアが北朝鮮からさらに別の装備品の調達を図ることも予想されると述べた。
「クレムリンは北朝鮮から兵器調達を行わなければならなくなったことに危機感を募らせているはずだ」。シンクタンク「戦争研究所」でロシアチームを率いるメイソン・クラーク氏はそう指摘する。
ロシアがウクライナに侵攻しようとしていたころ、ホワイトハウスはロシアの軍事計画に関する諜報報告の機密解除を始めた。当初は同盟国に対し内密に伝えるだけだったが、続いて広く情報を開示するようになった。