「学校に行きたくない」子に親がしてしまうNG言動 親以上に子どもが不安なことを考えて行動を

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また、友達と話す時間について「少し減った」または「とても減った」と答えた小学生が4割以上、先生や大人への話しかけやすさ、相談しやすさについては「少し減った」「とても減った」と答えた小学生が低学年で4割以上、高学年では5割以上です。

そもそも小学生だと学校に行きづらいという気持ちをまだうまく言語化できないうえ、学校でのコミュニケーションの減少もあいまって、子ども自身つらい気持ちを抱え込んでいるのかもしれません。こうした子どもたちの思いを受けとめ、安心して過ごせるようにするには、家庭はどのような役割を担えばよいのでしょうか。

ゲーム依存には背景になる原因がある

「朝起きられないのは夜中までゲームやSNSなどで遊んでいるせいだ」「ゲームやネットをやめれば学校へ行けるはず」

このように大人は考えがちです。

しかし、児童精神科医の吉川徹医師によると、「ゲームやネットによる昼夜逆転は、ゲームやネット依存そのものが原因というよりも、ほかに背景となる原因がある。その現実から逃れるためにゲームやネットに依存せざるをえなくなり、その結果が昼夜逆転につながっているという複合的な関係になっているケースが多い」と指摘します。

自らも中学2年生から不登校を経験、不登校の子どもや若者たちを数百人以上取材してきた「不登校新聞」の編集長・石井志昂(しこう)氏によると、「学校に行きたくない」と言う子どもたちは、「体は家にあっても、心では登校を続けていて、時計を見るのがとにかくつらい。『あ、数学の時間だ』とか、『お昼休みになった』とか考えるたびに心がどんどん削られていくような感覚になる」という精神状態のようです。

子どもは、学校へ行かないからといって怠けているわけではありません。「少しゆっくり休みたい」──その願いを親や周囲の大人が無条件に受けとめれば、「大抵の場合、数日間休めばまた学校に行くようになる」と石井氏は言います。

じゃあ、何ができるのか? 親が今できる3つの対処法

①まずは、しっかり休む

石井氏によると、不登校のサインは、子どもがそうとう我慢して打ち明けたときに出されると言います。ただし、それが一生涯続くわけではありません。

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