新作「ロード・オブ・ザ・リング」に賭けるアマゾン 常識外れ1シーズン650億円ドラマに込める野望

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巨額の製作費がかけられた『ロード・オブ・ザ・リング: 力の指輪』9月2日(金)からPrime Videoで独占配信開始©Amazon Studios

9月2日、アマゾンが社運を賭ける『ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪』がPrime Videoで配信開始される。つい8月22日、HBOと系列のHBO Maxの『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』が新作ドラマの初回として同社の史上最高視聴者数を獲得したところへの殴り込み。配信ビジネスが、ますますヒートアップしている。

アマゾンがこのシリーズに賭ける意気込みは、並大抵ではない。トールキン財団からテレビシリーズ化の権利を買うのに、なんと2億5000万ドル(およそ350億円)を費やしている。ライバルのネットフリックスやHBOを制するべく、この太っ腹な金額を提示。さらにアマゾンは、5シーズン作ることと、2年以内に製作開始することも確約した。

テレビや配信のドラマは、第1シーズンの反応を見てから第2シーズンを発注するのが普通で、これはきわめて異例なことだ。絶大な知名度と人気を誇る『ゲーム・オブ・スローンズ』の前日譚である『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』ですら、初回が記録的な数字を上げた後に第2シーズンへのゴーサインが出されている。

ドラマ史上最高額の製作費

権利の獲得にそれだけ使ったとあって、製作費も常識外れ。このシリーズの1シーズンを作るのには、なんと4億6500万ドル(およそ650億円)がかけられているのだ。この金額を、あと4回出すというのである。ドラマにこれほどまでの高額な製作費が投じられたことは、かつてない。

比較のために挙げると、ピーター・ジャクソンが監督した映画『ロード・オブ・ザ・リング』3部作の製作費は、3本合わせても2億8100万ドルだった。

ちなみに『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』も超大作シリーズだが、第1シーズンに費やしたのは2億ドル。また、『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』の第1シーズンは全10話で、『ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪』は8話。単純計算すると1話当たりの『ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪』の製作費は、『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』のそれの2.9倍となるのだ。

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