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新作「ロード・オブ・ザ・リング」に賭けるアマゾン 常識外れ1シーズン650億円ドラマに込める野望

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  • 猿渡 由紀 L.A.在住映画ジャーナリスト
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ここまでこのシリーズに意欲を注ぎ込むのは、ベゾス自身がトールキンの大ファンということもあるだろうが、ライバルが増える中で、明確な地位を確立しようとの狙いも大きいはずだ。『マーベラス・ミセス・メイゼル』をなどヒットシリーズは出してきたが、段違いのレベルのファンタジー作品を送り出すことで、アマゾンは本格的なハリウッドのパワープレイヤーになろうとしているのである。

そんな野心はまた、劇場用作品と配信用作品の間で起きている変化をさらに後押しすることになると思われる。メジャースタジオが大きく投資して大きく稼げるスーパーヒーロー映画やアクション映画をますます重視するようになるにつれ、大人向けの人間ドラマやロマンチックコメディを作りたいフィルムメーカーは、ネットフリックスやケーブルチャンネルに企画を持ち込むようになった。

配信作品もアクション超大作に注力

しかし、2019年にディズニー・プラスが立ち上がり、『スター・ウォーズ』やマーベルのシリーズが見られるようになると、配信に期待されるレベルが高まる。ネットフリックスも大物ハリウッドスターが出る娯楽超大作により力を入れ、昨年は1億6000万ドルをかけたライアン・レイノルズ、ドウェイン・ジョンソン、ガル・ガドット主演のアクション映画『レッド・ノーティス』をリリース。今年7月にはそれを上回る2億ドルを投じたライアン・ゴズリング主演映画『グレイマン』を配信した。

ネットフリックスはまた、ダニエル・クレイグ主演のヒット映画『ナイヴス・アウト/名探偵と刃の館の秘密』の続編2本の製作配給権を4億6900万ドルで獲得している。オリジナルは劇場公開だったが、もっとお金をかけた続編はネットフリックスで配信されるのだ。

この夏は『トップガン マーヴェリック』が映画館で映画を見ることの楽しさをあらためて思い出させてくれたものの、全体的には劇場と配信の棲み分けは崩れつつある。そんな状況を象徴するかのように生まれたのが、『ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪』だ。このシリーズの先には何があるのか。答はまだわからない。

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