結婚できない!神主や僧侶が婚活で苦戦する事情 寺社仏閣の「格」の差が妨げになることも

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現代において一般の人以上に難しいといわれる、社寺を継ぐ子どもの結婚。その事情や対応策について、東京・大井蔵王権現神社の吉井崇人宮司に話を伺いました(写真:Chary/PIXTA)

神社仏閣ブームが落ち着いて久しい。その間、社寺の数は減少していく一方だ。

政府の「宗教統計調査」によると、2011年には神社数8万1381、寺院数7万7476だったが、10年後の2021年には神社数は8万884、寺院数は7万6815と10年間で合計1000近い寺社が消滅している。

あらゆる業界でいえることだが、少子高齢化社会において後継者不足は深刻だ。社寺も例外ではない。しかし、社寺を継ぐ子どもの結婚は、現代において一般の人以上に難しいといわれる。その事情や対応策について、大井蔵王権現神社(東京都品川区)の吉井崇人宮司に話を聞いた。

地域との関わりが重荷に

社寺の跡取りは、戦前は見合いや縁故関係で結婚相手を見つけていたが、戦後の昭和30〜40年代からは恋愛結婚が主流になった。この流れは一般人の結婚と変わらない。しかし、現在はかつてに比べて縁談がまとまりにくい傾向があると吉井さんは語る。

「社寺の多くは世襲で何代にも渡って受け継がれ、“家制度”の考えが根強く、しがらみも存在します。昔は“家”に入ることで経済的に守られる保証があるからこそ、大変さもあると覚悟したうえで、社寺に嫁ぐ女性も多かった。

しかし、女性が社会進出して数十年経った今は、無理に結婚しなくてもいい時代です。相手の親や親族、社寺が抱える氏子や檀家と密に関わりながら生きていくという苦労はしたくない……と考える若い人が多いのも無理はないとも思います」(吉井さん、以下同)

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