実は「酷暑」で世界の旅行業界に激変が起きている 欧州ではハイシーズンや旅行先に変化の兆し

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ローマでは記録的な水不足で川が干上がる事態も起きた(写真:Alessia Pierdomenico/Bloomberg)

夏の旅行シーズン真っただ中の7月中旬、ヨーロッパから届くニュースは厳しいものだった。ロンドンのルートン空港は高温による「路面の不具合」で滑走路が一時閉鎖。イギリスでは線路の過熱が原因で列車が全国的に遅延・運休となった。

フランスでは20カ所を超える観測所で観測史上最高の気温が記録され、フランス、スペイン、ポルトガル、イタリア、ギリシャの観光地が山火事に襲われた。ギリシャではアテネのすぐ近くでも山火事が起きた。

新型コロナ禍で2年以上もバケーションを我慢してきた人々は、異常気象が大ニュースとなっていても旅行を取りやめようとはしていない。とはいえ、複数の旅行業界関係者によると、この暑さの中、旅行先を変えたり、日中のスケジュールを変更したり、旅行を1〜2カ月先延ばしする人が増えている。

温暖化時代のニューノーマル

気候変動の速度と推移を考えると、こうした動きは今後ますます広まるだろうし、その必要性も高まるはずだ。中でも、気候学者たちから熱波の「ホットスポット」と呼ばれているヨーロッパへの旅行には、それがとくに当てはまる。ヨーロッパでは今後、熱波がさらに長く、より頻繁かつ厳しいものになると予測されている。

今後のスタンダードになるような変化の兆しはすでに現れている。ヨーロッパの夏の旅行日程は、人が少なくて涼しい4月、5月、9月、10月にずれ込み始めており、旅行先を北方向や海岸方面にシフトさせるケースも見られる。

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