【産業天気図・自動車】ドル箱の米国で躍進も原材料高騰に苦悩し『晴れ時々曇り』続く

日系メーカーは世界で相変わらず強い。2004年、世界最大の米国自動車市場では、トヨタ自動車、日産自動車が大幅に台数を増やし、GM、フォード、ダイムラークライスラー合計の販売シェアが60%を割り込んだ。米国や需要高まるアジアなど、日系メーカーがグローバル拡大を続ける構図は05年も変わりそうにない。
 中でも成長を加速させているのがトヨタ。05年の世界販売計画は前年比7.4%増の803万台(暦年ベース)と、初の800万台到達を目指し、経常利益2兆円台も射程圏に。06年には850万台の世界販売計画を掲げる。世界王者のGMから首位を奪取する日は近い。
 04年は収益源の北米市場が伸び悩んだホンダも、新型ライトトラックや乗用車のフルモデルチェンジ効果で持ち直す見込み。一方、北米市場の台数2ケタ増を続ける日産は、今年も北米で大幅に台数増を図る公算。ただ足元の国内販売が今一つ、中国市場で04年に販売が前年実績を割り込むなど、懸念材料もある。
 三菱自動車は予断を許さない。昨年5月に公表した再生計画が頓挫し、三菱グループ3社の追加増資を得て05年から再スタートを切った。ただ05年度の販売計画143万台(前期比7%増)も下振れリスクがあり、赤字が膨らむ可能性は十分にある。
 三菱に隠れて目立たないが、富士重工業も業績が冴えない。国内外とも販売計画を下回り、04年度の業績を下方修正した。今年5月に改めて見直した経営計画を公表する予定だ。欧州の販売が好調で04年度は過去最高益を更新するマツダも、北米販売が軟調。円高も響き、利益が伸び悩む可能性もある。
 どの自動車メーカーにも共通しているのは、鋼材を始めとする原材料費の高騰。鋼材やタイヤなど、車を造る多くの素材の価格が上昇している。特に鋼材の需給逼迫は続き、ギリギリの調達をしている。鉄鋼原料の急騰で自動車用鋼材の値上がりは必至。各社の増益幅は、内部での合理化努力と、製品価格への転嫁にどこまで踏み込むかが焦点となる。
【井下健悟記者】


(株)東洋経済新報社 電子メディア編集部

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