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絶好調「ホットハンド」は本当に存在しないのか 精密な「データ解析」導入で、揺らぎ始めた通説

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科学は「ツキ」を証明できるか 「ホットハンド」をめぐる大論争(ベン・コーエン 著/丸山将也 訳/白揚社/2970円/325ページ)
[著者プロフィル]Ben Cohen/スポーツジャーナリスト。米ウォールストリート・ジャーナル紙の記者として、バスケットボールやオリンピックをはじめとするスポーツに関する記事を多数執筆。

タイトルの「ツキ」という言葉は、少々語弊があるだろう。本書の原題は『THE HOT HAND』。バスケットボールの選手が難しいシュートを次々に決めるような、「絶好調」の状態を指す言葉だ。ホットハンドはスポーツ選手に限らず、芸術家や科学者にも訪れる。シェークスピアもニュートンもアインシュタインも、代表的な仕事は生涯のある限られた一時期に、集中的に発表されている。

ホットハンドの状態ほど、見る者を魅了するものはない。技術的にはプロよりもずっと劣るはずの高校野球が人気を集めるのも、1つはこれが理由だろう。無名の高校がエリート選手をそろえた強豪校を倒したり、大量点をリードされたチームがあっという間に逆転したりする様子は、理屈抜きに人々を熱狂させる。

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