楽天、「国内磐石」でも残る不安要因とは?

営業利益は1000億円の大台を達成だが・・・

2兆円に乗せた国内EC流通総額について「(今期は)大幅に伸ばしたい」と三木谷氏は力を込めた

「連結営業利益がグループで初めて1000億円を超えた。一つの節目となる数字だ」。2月12日、楽天は2014年12月期決算(2014年1~12月期)を発表した。三木谷浩史会長兼社長は、決算会見に集まった報道陣に向けて、いつになく明るい表情を見せた。

”大台”は営業利益だけでない。2014年12月期には、国内EC(電子商取引)流通総額も、2兆円(前期比13.6%増)の大台に乗せた。国内EC流通総額とは、ECモール「楽天市場」などのEC関連事業で、消費者が支払った合計額だ。2015年12月期の国内EC流通総額について、見通しを問われた三木谷氏は、「大幅に伸ばしたいと思っている。数字は発表していないが、目標は常に高く持っている」と、力強く決意を述べた。

ただ決算からは、国内事業の堅調さと同時に、巨額投資を続けてきた海外事業のリスクが今後、本格化する可能性も見え隠れした。

楽天市場と金融が二本柱

2014年12月期は、国内EC流通総額の成長でカギを握る「楽天市場」が底堅さを発揮した。まず第1四半期(1~3月期)は、4月の消費増税前の駆け込み需要があり、高水準の売上高となった。続く第2四半期(4~6月期)は、増税後の反動と季節要因によって減収に。第3四半期(7~9月期)も横ばいだった。

ただ、かき入れ時の年末商戦を含む第4四半期(10~12月期)は、高ポイント還元の新サービス「楽天スーパーDEAL」を投入したことなどが奏功。前年はプロ野球球団・東北楽天ゴールデンイーグルスの日本一優勝セールがあり、売上高は395億円に達したが、それを超える410億円と盛り返した。通年で見ても、楽天市場の売上高は1512億円(前期比10.1%増)、営業利益は803億円(同8.8%増)と、収益を伸ばした。

ECのイメージが強い楽天だが、主要事業として急激に存在感を増しているのが、実はクレジット決済などの金融部門だ。インターネット金融事業の営業利益は483億円(前期比9.6%増)。クレジットカード「楽天カード」のショッピング取扱高は、ECの成長も追い風に、3.4兆円(同35.1%増)と大幅増を実現。これが牽引役となり、ECやカード、旅行サービスの「楽天トラベル」などの取扱高を合算した、国内の楽天グループ流通総額は、6.3兆円(同23.3%増)と着実に増加したのである。

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