みずほ役員人事、グループ再編に布石でも、”旧行バランス”変わらず
みずほコーポレート銀行の人事では、アジア事業のさらなる強化を図る狙いが見てとれる。従来、アジア地域統括は大橋圭造常務執行役員の担当だったが、今回の異動では、東アジア地域統括(大橋常務が担当)と末廣博常務執行役員が新たに担当となるアジア・オセアニア地域統括という2つに分かれた。昨年発表した変革プログラムでは、同地域の強化と、人員の再配置でも首都圏とアジア顧客部門を中心に行うという方針を打ち出している。広範なアジア地域の担当を分けて、さらなる体制強化に備える構えだ。
一方、みずほFG発足前の旧3行の出身者を重要ポストにほぼ均等に配置する、いわゆる旧行バランスについても大きな注目点だったが、その点では大きな変化はなし。昨年の10年4~9月期(上期)決算発表時、みずほFGの塚本隆史社長は「人事の変革」の実行を強調したうえで、今後、「(旧第一勧銀、旧富士銀、旧興銀という)役員について人数のバランスは配慮しない」と述べていた。
だが今回の役員人事を見るかぎり、FGと銀行2社の副社長、副頭取交代ではすべて前任と同じ出身行の役員が就任している。取締役以上の異動では、旧富士銀行出身が従来から1人減り、旧第一勧銀が1人増加。執行役員から社長、頭取を含めた人数では、旧3行で30人ずつだったものが、今回の異動で旧富士銀33人、旧第一勧銀31人、旧興銀が31名とわずかに変わった程度だ。
役員だけでなく、行員の異動についても出身行を属性からなくす運用に変えている。旧行バランスを崩すことが目的化するのは本末転倒だが、適材適所の配置を行った結果、30人ずつという従来の役員バランスがどこまで変わりうるのか。今後、グループ再編を推し進めるうえでの1つのポイントになるだろう。
(井下 健悟 =東洋経済オンライン)
《東洋経済・最新業績予想》
(百万円) 経常収益 業務純益 経常利益 当期利益
連本2010.03 2,817,625 702,656 327,127 239,404
連本2011.03予 2,800,000 820,000 690,000 530,000
連本2012.03予 2,900,000 770,000 650,000 470,000
連中2010.09 1,449,871 464,991 423,829 341,759
連中2011.09予 1,400,000 400,000 380,000 280,000
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1株益¥ 1株配¥
連本2010.03 16.3 8
連本2011.03予 24.5 6
連本2012.03予 21.8 6
連中2010.09 19.2 0
連中2011.09予 13.0 0
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