防衛費を「5年で倍増」はどのくらい現実的なのか 実現すれば米中に次ぐ、軍事大国に大きく変貌する

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政府は、今年末までに、安全保障政策の重要な指針である「国家安全保障戦略」「防衛計画の大綱」「中期防衛力整備計画」の防衛3文書を一括的に見直す方針で、この中で、敵基地攻撃能力の保有を明確化する。

日米安全保障条約や過去の日米合意文書では、日本防衛のため米軍が打撃力の「矛」の役割を担い、自衛隊は「盾」に徹する方針が示されてきた。自衛隊の原則である「専守防衛」である。

安保政策の大きな転換

政府は攻撃を防ぐのにほかに手段がない場合に限り、ミサイル基地をたたくことは法理的には自衛の範囲内としてきた。1999年、当時の野呂田芳成防衛庁長官は、「現実の被害が発生していない時点であっても、侵略国がわが国に対して武力行使に着手しておれば、わが国に対する武力攻撃が発生したことと考えられる」と国会で答弁。自衛権を発動し、攻撃することを認めている。

しかし、これまでは政府は政策判断として敵基地攻撃能力の装備には慎重な姿勢だった。防衛3文書で保有を宣言すれば、安保政策の大きな転換になる。専守防衛を旨としてきた自衛隊の変容である。

長谷川 隆 東洋経済 記者

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はせがわ たかし / Takashi Hasegawa

『週刊東洋経済』編集長補佐

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