債券トレーダーは数年ぶりの荒い値動きに見舞われている米国債市場のために夏休みを取れそうにない。
米国債の向こう30日間の予想変動率を示すICE・BofA・MOVE指数は、新型コロナウイルス感染拡大で金融市場が混乱した2020年3月以来の水準に急上昇している。
インフレ率の高止まりとインフレ抑制に向けた米金融当局の積極的な引き締め姿勢を受け、米国債利回りは今年上昇し、相場は少なくとも半世紀ぶりの大幅な下げを記録している。一方、リセッション(景気後退)リスクは高まり、利回りの下押し圧力となっている。投資家が逃避先として資金を再び米国債に振り向けるためだ。
5日の市場では両方の力が示された。指標の10年物米国債利回りは米国外の取引時間帯に一時10ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇して2.98%となったが、米経済成長停滞への懸念再燃で株価が下げる中で利回りは低下に転じて一時2.78%まで下げた。
逆イールドは成長鈍化で最終的に短期金利低下を示唆
米政策金利との関連がより強い2年物米国債利回りは最大6bp低下し、10年債利回りを6月中旬以来初めて上回った。2年債利回りは5年債に対しても20年3月以来初めて超えた。こうした逆イールドは成長鈍化で最終的に短期金利低下が余儀なくされるとの見方を示唆する。
パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)のファンドマネジャー、エリン・ブラウン氏は、インフレがピークに達したこと示す明確なシグナルが確認されるまで試練の時期は続くと予想し、債券の「ボラティリティーで夏の小休止」はないと見込んでいると語った。
原題:
Bond Volatility Soars in Tug-of-War Between Recession, Fed Risks(抜粋)
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著者:Michael MacKenzie
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