足元で急激に進むインフレと利上げと株安。196~70年代のアメリカでもオイルショックによる物価高、FRBの利上げ、ダウ平均株価の伸び悩みが発生した。歴史から学ぶ今後の日本と世界経済の見通し。

1969~74年の任期中、ニクソン大統領はスタグフレーションなどに悩まされた(写真:Mike Lien/The New York Times)
全世界的に物価上昇が進んでいることから、長くデフレが続いた日本でもインフレへの関心が高まっている。ここまで顕著な物価上昇というのは約40年ぶりであり、価値観の大きな転換を迫られているのは間違いない。
長い時間軸で見れば、ほとんどの期間を通じて物価は上昇しており、物価が下落もしくは横ばいで推移するというのは極めてまれである。少なくとも戦後の主要国において30年もデフレが継続したのは日本だけである。つまり、経済成長を背景とした物価の継続的な上昇は戦後の世界経済では当たり前の現象であり、成長を伴うインフレはむしろ歓迎されてきた。
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