エンタメで稼ぐソニー、「吉田体制5年目」の試練 ゲームの競争激化の中で見えてきた「戦い方」
営業利益は初の1兆円超え。エンタメ企業へ変貌を遂げるソニーの変化と課題に迫る。
ソニーの吉田憲一郎社長のプレゼンテーションは、同社が「エンタメ企業」へと変化していることを強く印象づけるものだった。
5月18日、ソニーグループは経営方針説明会を開催した。東京・品川の本社で開かれるのは実に3年ぶりだ。
プレゼンの内容と時間配分からは、エンタメ事業への力の入れ具合がうかがえた。吉田社長は「感動」という言葉を何度も口にし、メタバースへの進出、スポーツや音楽コンサートといった「ライブエンターテインメント」への注力などを初めて表明した。
2021年の経営方針説明会では、エレキ事業の採算改善、とくに赤字が続いたスマートフォン事業の黒字化達成について触れていた。また、「エンターテインメントの動機で10億人と直接つながる」といった抽象的な表現を強調し、「具体的にどういう意味か」との問いに明言を避けるなど、メッセージが伝わりにくい面があった。
それに対して今年はエレキ製品への言及がほぼゼロ。「直接つながる」のメッセージについても、「ユーザーから学び、サービスに生かす」「クリエーターを支援し、コンテンツを生む」などと、より具体的にイメージがつかみやすい表現が目立った。
営業利益の過半がエンタメ
2018年4月の社長就任から4年。直近の2021年度決算では営業利益が初の1兆円超えとなったことが注目を集めたが、ゲーム、音楽、映画のエンタメ3事業が著しい成長を遂げた点も見逃せない。
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