バフェットが「投資先はアメリカが一番」と推す訳 投資の神様が語った「買うか買わないか」の裏側
バフェットが投資銀行家を雇わない理由
デイヴィッド・ルーベンシュタイン(以下、ルーベンシュタイン):企業を調査するときに、投資銀行家を雇ったりはしないのでしょうか?
ウォーレン・バフェット(以下、バフェット):しないね。
ルーベンシュタイン:企業調査のために、これまで投資銀行家を雇った経験はおありですか?
バフェット:調査の目的で雇った試しはないが、取引の場面に同席してもらうことはある。コミッションは、いつも十分に支払うつもりでいるよ。
ルーベンシュタイン:これは以前お聞きした話です。ある買収予定の相手企業担当者が投資銀行家を雇うと、その後彼らは1週間ほどあなたのもとに現れ、少しでも買収額を上げようとあれこれ働きかけてきたそうですね。結局、彼らの努力は、ほんのささやかな増額という形でしか報われなかったわけですが。
バフェット:それはこういう話だ。あるアメリカのエネルギー会社に、1株あたり35ドル支払うと言ったところ、相手企業は投資銀行家を雇ったんだ。彼らは1週間ほど私のもとに日参して、分かると思うが、買収額を何とか上げようとしたんだ。『買収相手が少しでも優良企業に見えるように、あなたも買収額を増額すべきです』とね。
私は言った。『君たちが良く見えようが見えなかろうが、そんなことは私にはどうでもいいことなんだ』と。彼らは1週間ほどつきまとっていたが、最後に電話をかけてきて、半ば懇願するような口調でこう言った。『私たちの努力に対して、企業から適切な報酬が受けられるように、多少なりとも増額していただけませんか?』
そこで私は言った。『分かりました。あちらに35ドル5セント支払うとお伝えください。その5セント分があなたたちの取り分だと言えば良い』とね。
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