大阪「維新」の挑戦は「中央支配」を打破できるか 「大阪政治攻防50年」から考える日本政治の未来
松井一郎・大阪市長(日本維新の会代表)はインタビューで、「各国とも大阪・関西万博に対する関心は非常に高いという手応えを感じています」「財政状況は非常に順調で、インフラ整備などは遅れることはないと思う」と語っている。
ところが、公益社団法人2025年日本国際博覧会協会のホームページによると、 「150の国、25の国際機関に公式参加いただくことを目指しています」とうたいながら、「2022年3月11日現在における大阪・関西万博への公式参加表明国、国際機関は、87カ国、6国際機関」と明かしている。参加国は目標の6割弱にすぎないという。再浮上の切り札となるかどうか、まだ霧の中だ。
「大阪は日本の先行指標」という堺屋氏の言に従って日本の将来を考える場合、先行指標となる大阪が果たすべき役割として、政党・維新も、維新主導の大阪の行政も、「副首都」という目新しい独特の標語を打ち出している。
「副首都」構想ビジョン
大阪府議で大阪維新の会(代表は吉村洋文大阪府知事)幹事長の横山英幸氏は説く。
「大阪は首都機能を備えた町として関西で認識されるべきです。関西でのリーダー都市として、経済力は大阪で、交通インフラでも中心地です。関西全体の起爆剤としての町造りという大前提で、大阪の副首都化を進め、西日本のリーダーとしての地位を確立する」
副首都建設は大阪の成長戦略の核という位置づけのようだ。
それに対して、大阪市議(非維新・無所属)の松崎孔氏は疑問点を提起した。
「『東京に負けへん、大きな町を造っていこう』と言うたら受けますが、『具体的にどないすんねん』と言うたら、『副首都や』と言うてるだけです。副首都って、定義がないんですよ。言葉だけ。法律で決まっているわけではない。東京がほんまに首都機能の一部を移してくれるんか。それは移さんでしょう」
掛け声倒れとしないためには、「副首都」構想の将来ビジョン、中身の機能と効用、実現のシナリオとともに、プラン挑戦の功罪、達成の成否などについて、住民との価値観の共有、幅広い民意の支持を取り付けることができるかどうか。その点がカギとなる。
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