「PBL」って何?小学2年生の学級で「プロジェクト学習」をやってみた 質の高い学習体験で「自ら学び続ける学び手」に

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「まだまだいろいろ出てきそうなので、アイデアを紙に書いて提出してください。周りの人と一緒に考えて書いてもいいよ」と促すと、あっちでワイワイ、そっちでワイワイと子どもたちは大盛り上がり。

学校全部を使って鬼ごっこ、学校でキャンプ、ツリーハウスを作る、リサイクルマーケットでお買い物、好きな野菜を育ててお料理パーティー、アドベンチャーアトラクションを作って遊ぶ、みんなで旅行に行く、クラス紹介映画を作る――などなど、たくさんのアイデアが提出されました。

子どもたちのアイデアで実現した「リサイクルマーケットプロジェクト」
(イラスト:田中氏提供)

提出されたアイデアを板書していくと、みんな「楽しそう!」「やりたい!」と大騒ぎ。中には「学校じゃできないんじゃないの」「どうせ無理でしょ」と一蹴されそうなアイデアもあり、「でも、どうやってやるの?」「誰に許可をもらったらいいの?」などの声も出ます。当事者意識があればこその正直な声だと思います。

「今、いろんな人から『できっこない』『無理でしょ』という声が上がりました。『どうやってやるの?』『校長先生の許可は下りるかな?』という声もありましたね。僕はそういう意見ってとても大事だと思います。『いつ・どこで・誰が・何を・どうやって・何のために』を具体的に考えていけば、多くの『どうせ無理』が実現できると考えています。人類はそうやって進化・発展してきたんですから、何事もできないことはないって信じています。『そんなの無理』とか『駄目に決まってる』って誰かが言ったら、こんなすてきな、面白そうな、わくわくするようなアイデアって生まれてこなくなっちゃうよね」

そう言って、出てきたアイデアの中で実際に自分がやってみたいプロジェクトを選んでもらいます。数名が選ぶものもあれば誰も選ばないものもありますが、1人でもいればプロジェクトは成立です。

後編では、具体的にどのようにゴールドスタンダードの7つの要素を使ってクラスプロジェクトを実現していったのか、ご紹介したいと思います!

田中光夫(たなか・みつお)
1978年生まれ、北海道出身。東京都の公立小学校教員として14年間勤務。2016年、主に病気休職の教員の代わりに担任を務める「フリーランスティーチャー」となる。これまで公立・私立合わせて延べ11校で講師を務める。NPO法人「Growmate」理事としてマーシャル諸島で私設図書館建設にも携わる。近著に『マンガでわかる!小学校の学級経営 クラスにわくわくがあふれるアイデア60』(明治図書)
(写真:田中氏提供)

(注記のない写真:ペイレスイメージズ1〈モデル〉/PIXTA)

執筆:田中光夫
東洋経済education × ICT編集部

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小学校・中学校・高校・大学等の学校教育に関するニュースや課題のほか連載などを通じて教育現場の今をわかりやすくお伝えします。

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