技術はほぼ完成「リニア新幹線」車両開発の系譜 60年前に実験開始、あとは開業させるだけ

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山梨実験線を疾走するL0系(筆者撮影)

東京(品川)―名古屋間の開業が待たれるリニア中央新幹線。静岡県との折り合いがつかないため、予定していた2027年の開業は遅れそうだ。

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リニア中央新幹線の建設は東京ー名古屋―大阪という3大都市を結ぶ重要なプロジェクトで、リニア中央新幹線は最高速度時速500kmで、首都圏と関西圏を1時間程度で結ぶことができる。

超伝導磁石で浮上

リニアモーターカーの研究は、東海道新幹線が開業する前の1962年からすでに始まっていて、リニア中央新幹線の基本計画は1973年に東京―大阪間(甲府、名古屋、奈良を経由)が決まっていた。そもそも、なぜリニアはそんなに速く走ることができるのか。それは鉄の車輪と軌道を有する鉄道においてクリアできない常識を、リニアがクリアしたからなのだ。

通常の鉄道車両はレールの上を車輪で走行しているのだが、車輪とレールの接点は走行することで摩擦抵抗が起きるため、速度向上には限界がある。そこで、モーターを開いて直線状にし、車両には回転子に当たる部分を、ガイドウェイには固定子に当たる部分を取り付けた。これにより、車両とガイドウェイの磁石の引き合う力と反発する力により推進力を得たのだが、これだけでは、浮上して高速走行はできない。リニア(Linear)とは英語の「線状にする」の意味で、リニアモーターカーは、直線状にしたモーターを使用した車両のことであるからだ。

そこで登場するのが超電導磁石だ。超電導とは、特定の物質をある一定の温度以下に冷却すると電気抵抗がゼロになる仕組みで、リニア中央新幹線ではニオブチタン合金を液体ヘリウムでマイナス約270度に冷やすことで超電導現象を生じさせている。この超電導磁石を車体に、そしてガイドウェイに推進コイルと浮上・案内コイルの電磁石を取り付け、反発力と吸引力を発生させるのだ。時速150km以上になると10cm浮上して、高速で走ることとなる。

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