オリンパスが新社長に50歳の英国人を抜擢、グローバル化加速へ。「英語を公用語とすることは傲慢」との発言も
医療用内視鏡で世界シェア7割のオリンパスの新社長に、50歳の英国人が就任する。
同社は10日、執行役員で欧州法人社長のマイケル・シー・ウッドフォード氏(写真右)が4月1日に社長執行役員(COO)として就任し、同日付で菊川剛・現社長(同左)が代表権のある会長に就くことを発表した。ウッドフォード氏は6月に開催予定の定時株主総会を経て、代表取締役社長に就任する。
「オリンパスグループを牽引する社長として、グループの企業価値をさらに向上させていきたい」−−東京都内で行われた会見の席上、ウッドフォード氏は力強く語った。
ウッドフォード氏は、オリンパスの子会社であるキーメッドに医療機器の営業として入社。1991年に30歳の若さで、同社社長に就任。部門ごとに別れていた物流や財務、ITシステム管理業務を一本化するなど、組織の抜本的改革を断行し、企業体質を強化した。2008年からは、欧州事業の統括会社オリンパス・ヨーロッパ・ホールディングスの社長を務めていた。
菊川・現社長からの信頼は抜群だ。「複数の社長候補の中では『ベスト』、だと判断した」「リーダーシップと決断力、そして業務執行のスピード。この3点を高く評価している」「50歳。若さ満々の新社長。社長職は体力がないと、気力も出てきませんから」、と菊川社長はいう。
オリンパスはウッドフォード氏を新社長に据えることで、海外戦略を加速する狙いだ。「真にグローバル競争力のある企業体質への転化を進めていく」(菊川社長)。オリンパスの現在の売上高は8800億円(10年度の会社計画)。海外売り上げ比率は50%を超えている。今後は中国などでの展開をさらに強化し、15年度に売上高を1兆5000億円へと引き上げる算段だ。