ホンダ、それでも原付バイクにこだわる事情 低迷する国内2輪市場で新車攻勢

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2014年のホンダの50ccバイクの販売実績は10万7000台。タクトだけで今年は4万5000台の販売目標を掲げており、かなり野心的だ

タクトはダンクのエンジンやフレームを使いながら一層の軽量化を進め、価格はタクトが17万2800円、女性や小柄な人でも乗りやすいようにシート高を低くしたタクトベーシックは15万9840円と、ダンクよりも5万円安くした。年間の販売計画は2タイプ合わせて4万5000台。原付の中では最量販モデルと位置付け、国内の原付1種のシェアの2割を奪う野心的な計画を掲げている。

発売前には全国50カ所以上で販売店向けに商品説明会を実施。これまで複数の新型車をまとめて紹介するのが一般的だったが、今回はタクトに絞って実施したところに、最量販モデルに懸ける意気込みが見て取れる。

原付バイクで新車攻勢

ホンダは2014年に国内で過去最高水準となる35車種のバイクを売り出した。今年も20車種以上の新型車を投入するとみられる。50ccスクーターではさらに1車種を投入し、原付2種の主力車種「Dio110」(110cc)も全面刷新して今春発売するなど、原付バイクで積極的な新車攻勢を仕掛ける。

タクトを筆頭とする原付の盛り返しで、2015年の国内販売は21万5000台(前年比5%増)の計画を立てている。ホンダモーターサイクルジャパンの加藤社長は、「トップメーカーとして需要の拡大を取り組まない限り、国内の2輪の将来はないという決意の元にこのタクトも出した」と話す。原付のテコ入れがバイク市場の活性化に寄与するかどうか、タクトの担う役割は大きい。

(撮影:尾形文繁)

木皮 透庸 東洋経済 記者

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きがわ ゆきのぶ / Yukinobu Kigawa

1980年茨城県生まれ。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。NHKなどを経て、2014年東洋経済新報社に入社。自動車業界や物流業界の担当を経て、2022年から東洋経済編集部でニュースの取材や特集の編集を担当。2024年7月から週刊東洋経済副編集長。

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