静岡リニア、知事と副知事「確執」がついに表面化? 川勝最側近も辞任、いよいよ「裸の王様」状態に
川勝平太静岡県知事は、4月28日の会見でJR東海のリニアトンネル工事中に発生し県外に流出する湧水を大井川に戻す方策案について、「全量戻しにはならない」などと真っ向から否定、さらに、南アルプスルートの路線計画決定と地質調査を問題にすることをあらためて主張した。
リニア静岡問題責任者の難波喬司副知事は26日の県専門部会で、大井川に全量を戻すJR東海案を検討の余地ありと評価、ルート計画の決定時の地質調査については「追及しない」と明言した。これで、川勝、難波両氏の間に意見の食い違いが生じていることが明らかになった。
反リニアに徹する川勝氏は他者の率直な意見を聞くことができず、自分に都合のよいことだけを信じる“裸の王様”状態となっているようだ。
新たなステージに入った?
知事は25日の定例会見で、「工事中の全量戻しの方法があることが漏れ伝わってきている。今度の専門部会でしっかりと仕切ってもらう。これでこれまでの全量戻しに関わることから、新たなステージに入っている」などと述べた。
「新たなステージ」とは、南アルプスルートの路線計画決定と地質調査の問題である。山梨県内で「地質脆弱などで高圧湧水の恐れ」があった北部ルートを回避して、南部ルートを通過する現在の南アルプスルートに決定したことを問題視した。
川勝氏は、静岡県内でも、山梨県内同様に「全区間で切羽崩壊と大量湧水の発生の懸念」があることをJR東海は地質調査で承知していたのだから、現在の南アルプスルートも回避すべきだったと主張する。
南アルプス山岳地帯は糸魚川静岡構造線、中央構造線が通る「世界最大級の断層帯」であり、破砕された脆弱な地層が多く分布する。当然、JR東海は南アルプスルートの地質構造的な問題を熟知している。26日の県専門部会で、JR東海は2つの構造線の影響が最も少ないルートを選んだと説明した。
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