築堤活用も開発の鍵、JR東「高輪ゲートウェイ」 すべて解体せず一部保存、街のストーリーに
4月21日、JR東日本が進めている高輪ゲートウェイ駅周辺再開発事業の進捗状況が都内で発表された。
同社が品川車両基地の設備見直しなどにより創出された約13ヘクタールの土地を開発して新たな街づくりを行うと発表したのは2014年6月。その後、国家戦略特区の都市再生プロジェクトに指定され、2018年9月に都市計画手続きを開始した。
再開発エリアを6つの街区に分け、田町寄りの4つの街区にオフィス、ホテルなどで構成される3棟の高層複合ビル、高層マンション、および「文化育成・交流・発信機能」を持つ文化創造棟を建設するというもので、詳細な計画概要やイメージパースも発表された。残る品川寄りの2つの街区の概要は未定で、並行して進んでいる品川駅や駅周辺の再開発の状況をにらみながら具体化を進めることになる。
隈氏デザインの「文化創造棟」
今回発表されたイメージパースと2018年9月時点のイメージパースを比較すると一見同じように見えるが、実はいくつかの点で違いがある。
最も大きな違いは文化創造棟のデザインである。2018年9月時点ではやや曖昧なデザインだったが、今回はその詳細が明らかにされた。建物を木々の生い茂った道がらせん状に取り囲み、屋上には林のようなテラスが広がる。建物と自然が融合したような不思議な外観だ。
デザインしたのは隈研吾氏。高輪ゲートウェイ駅舎のデザイナーでもあり、新国立競技場の設計にも参画した。素材に木材を使うなど、環境と調和した建築で知られる。「文化創造棟は大地と一体化し、大地がそのまま最上部の広場までらせん状につながったような建物で、高輪ゲートウェイにおける街づくりのシンボルになる」と隈氏は説明する。
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