中国に広がるサプライチェーンの恩恵にあずかってきたマイクロソフトやテキサス・インスツルメンツ(TI)などの企業にロックダウン(都市封鎖)の影響が及んでいる。習近平政権は厳格なロックダウンで徹底的に新型コロナウイルスを抑え込む「ゼロコロナ」戦略を堅持している。
自動車メーカーやテクノロジー企業に半導体を供給しているTIは26日、売上高見通しを約10%引き下げた。顧客企業が中国の工場で操業を停止したり、事業活動を縮小したりしたためだ。
マイクロソフトは同日、現在のロックダウンが同社の業績に影響を与えており、操業停止が続けばゲーム機「Xbox」やラップトップ「サーフェス」の生産能力を損ねると警告を発した。
韓国の半導体メモリーメーカー、SKハイニックスは27日、スマートフォン・コンピューター市場の回復は新型コロナに対する中国の政策アプローチ次第だとの見方を示した。マーケティング担当幹部のパク・ミョンス氏は中国にサプライチェーンを持つ企業に触れ、需要を左右する最大の要因はロックダウンだと指摘。「今後どう展開するか次第で、年後半の需要を巡る不確実性に問題が残ることになる」と述べた。
企業が開いた電話会議の発言録をブルームバーグが検証したところ、多くの企業が中国の政策による収益への影響に対応しているか、ここ1週間で関連する質問を受けている。ゼネラル・エレクトリック(GE)やペプシコといった大企業のみならず、それほど有名ではないものの世界のサプライチェーンで重要な役割を担っている企業なども頭を悩ませている。
韓国のサムスン電子や米HPを顧客に抱える台湾の友達光電(AUオプトロニクス)は26日、中国のロックダウンは生産から人材採用に至る全てを一段と複雑にしていると説明。彭双浪(ポール・ペン)最高経営責任者(CEO)は「不足する原材料が日々変わり得る。きょう化学素材が不足すれば、明日は別の何かだ。毎日どんな原材料が足りないかモニターする必要がある」と語った。こうした予測不可能な状況から、4-6月(第2四半期)の業績見通しを示すことは困難だという。
原題:Microsoft, Chipmakers’ Bottom Lines Hit by Xi’s Lockdowns (1) (抜粋)
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著者:Debby Wu、Betty Hou
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