10年で10倍超!ぐっと伸びる「株」を見つけるコツ 「個別株はリスクも大きいが醍醐味もある」

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とはいっても、結局のところテンバガー株探しは「数撃ちゃ当たる」の世界でもあるのです。逆に言えば、数を撃たなければまず当たりません。

例えば、売上が伸びていて面白そうな銘柄を10見つけてきて、そのうち一つでも大化けすればOKなのです。ほかの9つが鳴かず飛ばずでも、場合によって十分の一になっても、10倍株が一つあれば問題ありません。十分の一になってしまった株から生じる損失は投資資金の90%、さらに下がっても投資資金以上の損失は生まれませんが、これに対してテンバガー株の利益には天井がなく、10倍なら利益率900%です。

もちろん実際には無限大ということはないですが、すでに見てきたとおり20倍(利益率1900%)、30倍(利益率2900%)は十分にありうるわけです。それを考えればテンバガー株が当たる確率はもっと低くても大丈夫でしょう。

テンバガー株探しの本当の難関

テンバガー株は、ほとんどが何年かかけて株価を急上昇させていきます。ですから、大化けが始まる前に仕込んでおこうなどとは考えずに、大化けが始まったように見える企業を拾っていくという方法が現実的でもあるでしょう。

テンバガーを達成するような成長力のある企業は経済ニュースなどでも次第に取り上げられるようになることが多いので、そうした報道で面白そうな企業だと思ったら、まずは株価をチェックすることから始めてはどうでしょうか。

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もっともテンバガー株探しの本当の難関は、テンバガー株を探り当てた後にやってきます。保有株の価格が2倍、3倍と上がってくると猛烈に「早く売って利益を確定したい」という気持ちになってくるのです。

もちろんRIZAPのケースのように、212倍にまで上がって、もっと上がるかもと思っていたらその後大きく値下がりしてしまうようなケースもあるので、どこで売るべきなのかはおそらくテンバガー銘柄を探すこと以上に難問です。

この点について正解はないですが、バフェットのいう「投資した株が優良であるうちは保有し続ける」というのがヒントになるのではないでしょうか。売上成長のスピードが維持され、ナラティブが生きているあいだは保有を続けるということです。

それでも「利益を確定させないうちに株価が急落し始めたらどうしよう」というような不安はなかなか打ち消せないでしょうから、たとえば10倍とか、あらかじめ設定しておいた目標に達したら一部を売りに出すというやり方も考えられるでしょう。株式投資においては、このような精神衛生上の配慮もときに大切なものとなります。

田渕 直也 ミリタス・フィナンシャル・コンサルティング代表取締役

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たぶち なおや / Naoya Tabuchi

1963年生まれ。1985年一橋大学経済学部卒業後、日本長期信用銀行に入行。海外証券子会社であるLTCB International Ltdを経て、金融市場営業部および金融開発部次長。2000年にUFJパートナーズ投信(現・三菱UFJ国際投信)に移籍した後、不動産ファンド運用会社社長、生命保険会社執行役員を歴任。現在はミリタス・フィナンシャル・コンサルティング代表取締役。シグマインベストメントスクール学長。著書多数

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