10年で10倍超!ぐっと伸びる「株」を見つけるコツ 「個別株はリスクも大きいが醍醐味もある」
2010年代のTOPIX上昇率は1.9倍ですから、MonotaROと比較してしまうとTOPIXに連動するインデックス投資がいかにもつまらなく見えてしまいます。
もちろん、10年で約2倍というのはそんなに悪いものではありません。長期投資という視点で考えるなら、10年で2倍のペースを続けることができれば、20年で4倍、30年で8倍になります。でも、MonotaROのような銘柄に投資することで得られるものは、それとはとても比べものにはなりません。
株価変動率に注目すべき理由
ただ、このような株はリスクも高いことには十分に注意が必要です。
2009年末以降の株価の振れ幅の大きさを示すボラティリティーを計算してみると、TOPIXの年率16.5%に対して、MonotaROは44.5%です。この数字の意味は、前にも触れたとおり、大雑把にいえば、値上がりするにしても値下がりするにしても1年間で標準的に生じる株価変動率と考えることができます。
標準的な変動率ですから、これよりも大きな変動が生じることももちろんありますが、このぐらいの値上がりや値下がりは普通に起きるということです。値下がりの大きさという観点でいえば、これはすなわちリスクの大きさを表す指標となります。
ですから、単純にいえばMonotaRO株への投資は、TOPIXに連動するインデックス投資よりも2.7倍(=44.5÷16.5)ほど価格変動リスクが大きいということです。例えばTOPIXが1年間で30%以上下落することはめったにないことですが、MonotaROならそれはごく普通に起こりえます。事実、2021年11月末現在のMonotaRO株はわずか8カ月ほど前につけた高値から30%以上安い価格で推移しています。
テンバガー株のリスクの大きさが顕著に現れた事例として減量ジム経営のRIZAP(ライザップ)があります。RIZAPは札幌証券取引所のアンビシャスというややマイナーな新興株式市場に上場していますが、2017年11月には2009年末比で実に212倍にまで値上がりしたスーパー・テンバガー株です。
しかし、その後に株価は大きく値下がりし、2021年11月末現在では高値比で89%安にまでなっています。まあそれでも、2009年末比ではなお24倍を維持しているわけですが。
このようにとんでもない値上がりをすることもあれば、大きく値下がりしてしまうこともあるテンバガー株ですが、どのようにして見つけ出すかがまずは問題ですよね。
テンバガーを達成する企業の多くは新興企業であり、当然のことながら成長率が高い企業である必要があります。新興企業は当初利益が出ないことも多いので、基本的には売上がぐんぐん伸びているというところが一つのポイントになるでしょう。
もう一つは“ナラティブ”です。ナラティブは物語という意味の言葉ですが、要するにビジネスモデルがはっきりと差別化されていて、成長のイメージを描きやすく、わかりやすい物語性を持った企業ということです。株式市場は美人投票という側面を持っていますから、ナラティブのある企業のほうが投資家の注目を集めやすく、大化けしやすいということがいえるでしょう。
実際に、ここまで名前が挙がったテスラ、ネットフリックス、アマゾン、マイクロソフト、アップル、MonotaRO、エムスリー、日本M&A、レーザーテック、RIZAPはいずれも企業のビジネスモデルやイメージがはっきりしていて、物語性のある企業ばかりです。ナラティブだけで成功できるわけではないですが、ナラティブと成長が両立したときに株は大化けするということでしょう。
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