10年で10倍超!ぐっと伸びる「株」を見つけるコツ 「個別株はリスクも大きいが醍醐味もある」
「理屈のうえでこの結論は大勢として正しいことは間違いありません。しかし、インデックス投資はリスクを抑えた投資であるが故に、大きなリターンが狙いにくいのも事実です。対して個別株投資は、リスクは大きいものの、大きなリターンを得るチャンスが多く、投資としての醍醐味にあふれています」と言うのは、田渕直也氏です。今回は、FIREに挑む人にとって魅力的なテンバガー株の探し方を同氏の新著『ランダムウォークを超えて勝つための株式投資の思考法と戦略』の中から解説します。
テンバガー探しは投資の醍醐味
個別株には、時に大化けをする銘柄があります。こうした銘柄を事前に見つけ出したり、見つけ出したとしても大化けをするあいだずっと保有し続けたりすることは実際には非常にむずかしいことなのですが、こうした大化け銘柄探しは個別株投資の醍醐味の一つといっていいでしょう。
一般に大化け株は“テンバガー”と呼ばれます。もともとは野球で1試合に十塁打を打つことをそう呼び、とんでもない大活躍をする銘柄というような意味に転じたわけですが、“テン(十)”ということからの類推で一定期間に株価が10倍以上になった銘柄を指すことが普通です。
1年間でテンバガーを達成する企業の数はさすがに少ないですが、ある程度の期間、例えば10年程度で見るとテンバガーを達成する企業は、実はそこそこに存在しています。
アメリカなどでは、テスラもそうですし、映画やドラマなどのネット配信サービスのネットフリックスは2010年代の10年間で株価が41.8倍になりました。テンバガーは一般に社歴の浅い新興企業が達成することが多いですが、すでに大企業となっていたアマゾン・ドット・コムも同期間で13.9倍になっています。2020年代の株価上昇も加味すれば、マイクロソフトやアップルも近年の立派なテンバガー株です。
テンバガーはアメリカ株だけに限った話ではありません。日本株は市場全体として見ると、アベノミクスがもてはやされた2013年あたりを別として、アメリカ株と比較してあまりぱっとしない印象がありますが、2010年代の10年間でテンバガーを達成した企業は数十社にもなります。
医療従事者向け情報サイト運営のエムスリー、中堅中小企業向け企業合併買収仲介の日本M&Aセンター、半導体検査装置のレーザーテックなど、そうそうたる顔ぶれのなかで最大の値上がり倍率を見せたのは工具ネット通販サイトを運営するMonotaRO(モノタロウ)です。10年間で実に88倍にもなりました。2021年に記録した最高値までなら11年余で200倍以上というすさまじさです。
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