米中のデジタル通貨戦略の違いがはっきりしてきた。
2月4日に始まった北京冬季五輪を舞台に、中央銀行が発行するデジタル通貨(CBDC)「デジタル人民元」の展開をアピールするのが中国だ。スマートフォン用ウォレットアプリや利用可能な店舗の準備を整え、欧米に先駆けたCBDC発行に邁進する。
一方、1月20日、当初予定より約半年遅れで、ようやくCBDCの是非に関する報告書を発表したのが、米国の連邦準備制度理事会(FRB)だ。FRBは「すぐに発行する意図はなく、利害関係者の合意形成や行政、議会の支持を重視する」と強調。その悠長にも映る姿勢は中国とは対照的だ。
こうした違いから、一部では中国がデジタル通貨で先行し、ドルが支配する国際通貨体制を揺さぶるとの見方もあるが、事はそんなに単純ではない。米中はそれぞれ異なったデジタル通貨の未来像を持っており、大本をたどれば、それは政治体制の違いにまで行き着くほど根深い。日本も戦略構築に当たって、こうした両国の違いを認識しておく必要がある。
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