「俺が君ぐらいのときにはだな……」
社内や酒の場で若い社員に自分の経験を開陳する。だがそんな枕詞は、韓国ではすでに禁句だという。韓国の「ソウル新聞」は最近、こんな世代間ギャップを「中年の悲哀」として紹介していた。
「俺が……」と口を開く上司に対し、韓国の若者は「そんな話はつまらないからやめてほしい」と返すことがほとんどなのだという。上司からすると、仕事を円滑に進められるように願うゆえの助言だが、そうした言い方では若者は聞く耳を持たないのだそうだ。
1960年代末から70年代生まれは韓国で「X世代」と呼ばれ、人口の3割強を占める。彼らはデジタル化とインターネットの普及とともに成長し「アナログを理解し、デジタルをうまく扱える」世代とされてきた。ところが今、DX(デジタルトランスフォーメーション)さえ本質的に理解できていないその上の世代と、デジタルネイティブな若者との狭間で、コミュニケーションや社内教育に自分の経験がうまく生かされず窮屈な思いをさせられているようだ。
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