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ウクライナ危機をめぐり米国を徘徊する稚拙な陰謀論 危機回避には米ロ外相レベルの対話を増やすべきだ

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ウクライナ危機をめぐり、陰謀論という妖怪が徘徊している。とくにひどいのが米国だ。〈米ホワイトハウスのサキ大統領報道官は14日の記者会見で、ロシアがウクライナに工作員を送り込み、侵攻の口実をでっち上げる偽装工作を計画していると批判した。「(ロシアは)1月中旬から2月中旬に始まる可能性のある軍事侵攻の数週間前に、この活動を始めるつもりだ」と述べた。/ロシアがウクライナ侵攻の大義名分を得るため、工作員がウクライナ側を装ってロシアを攻撃するなどの偽装工作をする計画だと米政府はみている。/サキ氏は「妨害活動や情報操作などにより、侵攻の口実をつくる選択肢を確保するための環境を整備している」と語った。「すでに工作員グループを配置しているとの情報がある。工作員は市街戦や爆発物の訓練を受けている」と話した。/(中略)サキ氏は「ロシアの介入を正当化し、ウクライナを分裂させるために国営メディアやソーシャルメディアでウクライナの挑発行為を捏造し始めている」と指摘した。〉(1月15日「日本経済新聞」電子版)

米報道官の奇妙な論理

サキ報道官の発言内容は、少し冷静に考えてみれば成り立たないことがわかる。2014年にロシアがクリミアに侵攻したときは、階級章を着けていないロシア軍の軍装をした部隊が入った。仮にロシア軍がウクライナ軍に偽装してロシアを攻撃したとする。この種の謀略は極秘裏に行わなくてはならない。

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