カプコンが本気で「映像化」にこだわる納得の論理 ゲーマー以外へ訴求、映像化を見据えた開発も

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早くからゲームIPのハリウッド映画化に取り組んできたカプコン。創業家2代目の辻本春弘社長に、20年前から進めてきた「大戦略」について直撃した。

辻本社長はカプコンについて「総合エンタメ企業に近づきつつある」と手応えを語る(撮影:梅谷秀司)

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「モンスターハンター」や「ストリートファイター」など、ユニークなゲームタイトルを持つカプコン。そのIP(版権)を生かし、早くからハリウッドを中心に、映画化を推進してきた。
とくに「バイオハザード」は2002年から映画もシリーズ化しており、2021年11月にはアメリカで「バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ」(新シリーズ、日本では2022年公開予定)が公開された。
【2022年1月3日17時55分追記】初出時の作品に関する表記を一部修正いたします。
ゲーム会社であるカプコンが、なぜこれほど映像へのIP展開にこだわるのか。また、デジタル販売へのシフトが加速する本業のゲーム販売や、グッズショップなどリアルでの事業領域拡大、NFT・メタバースといった新潮流に対してどのような考えを持っているのか。創業家2代目の辻本春弘社長に聞いた。

映画はゲーマー以外への訴求手段

――近年、競合ゲーム会社がIPのハリウッド映画化に着手する一方、カプコンは早々に同様の動きを本格化していました。会社全体のIP戦略の方針はどのようなものでしょうか。

カプコンはキャラクターを支持する人たちがいるファンビジネス。根本はゲーム会社だが、(1つのIP当たり)5年以上をかけて映像ビジネスを育成しており、総合エンタメ企業に近づきつつある。(ゲームBGMサウンドトラックなど)音楽ビジネスも推進したい。(ゲームで)ストーリーラインをしっかり作ったうえで、アミューズメント施設やキャラクターショップなど、ファンとリアルな接点も持っている。

大きな戦略として20年ほど前から、ゲームの世界観を(より多くの人に)広げていくために、「ワンコンテンツ・マルチユース」(映画や舞台、出版物、グッズなど幅広いジャンルへのIP展開)を推進してきた。(古くは)「ストリートファイター」を1994年にハリウッドで映画化し、アニメも展開。その後も「バイオハザード」「逆転裁判」「戦国バサラ」などを積極的に映画・舞台化した。

ゲームをプレイするユーザーは限定されてしまうが、映画はゲームをプレイしない人でも見てくれる。ゲームユーザー以外の人たちに対しても自社のIPを浸透させたいと考え、この方針を打ち立てた。当時は違ったが、今では(ゲーム以外への)IP展開を意識してゲームを開発している。2020年に発表した「プラグマタ」(2023年発売予定の新作アクションアドベンチャー)は、明らかに映像ビジネスを意識した設定・世界観になっている。

――ゲームと映像にはシナジーがあるのでしょうか。

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